今週(2021年11月15日週)のビットコインは過去最高値を更新した後に急落。これを、明治大学の城正人さんは「下落は一つの調整局面としてうまく機能したように感じます」と冷静。それもそのはずで、乱高下したイーサリアムに影響されず、先週の売却が功を奏したからだ。激しい相場の動きに、今週は静観した。
ビットコインの下落に、同志社大学のしがないトレーダーさんも、「目立った悪材料もないので、大幅な調整だと考えている」と見る。「最後までビットコインをホールドし続けたい」と、ビットコインの動きに賭ける。
職業能力開発総合大学校のさっちんさんは、児山将さんのアドバイスをもとに、ドル円相場の動向と米10年債利回りを見て、買いのタイミングを探っている。
イーサリアム売却、絶妙なタイミングだった!(明治大学 城正人さん)
先週、イーサリアム(ETH)を全額売却していたのが功を奏し、今回の下落には巻き込まれることなく耐えることができました。
ビットコイン(BTC)もイーサリアム(ETH)も過去最高値を超えた後で、かなりチャートも悪かったためで、今回の下落は一つの調整局面としてうまく機能したように感じます。
しかし、少々気になるのがビットコイン価格の戻りがいま一つだという点です。そんなビットコイン(BTC)の伸び悩みをヨコ目に、アバランチ(AVAX)をはじめ数多くのアルトコインが上昇を続けています。イーサリアムもアルトコインほどでは有りませんが一たん4000ドルを割れたのを底値に回復を続けています。
このビットコインの価格の伸び悩みには、Taprootの実装によってスマートコントラクトが利用しやすくなったとはいえ、処理速度の遅く実質的に利用が難しいという点が考えられます。昨今、分散型金融(DeFi)やNFT(非代替性トークン)、メタバースなどといった言葉をよく耳にします。しかし、これらはビットコインで利用することは非常に困難でイーサリアムをはじめとするアルトコインの特徴を利用したもので、直接的にはビットコイン価格へは影響しません。
しかし、こうして次第に価格が安定してくることによって、これまで参入が難しかった機関投資家の投資需要や現実世界での決済需要を満たすことができるでしょう。
◆今週のニュース
先ほどは「ビットコインでDeFiを扱うことは困難である」といいました。しかし今週、Twitterなどの創業者でもあり、Bitcoin好きとしても知られるジャック・ドーシー氏が率いるスクエア社が興味深いホワイトペーパーを発表しました。内容は法定通貨(fiat)から暗号資産に「分散的な方法で」交換することを可能にする「tbDEX」についてでした。
現在、暗号資産から暗号資産へ交換することは非常に容易にできますが、法定通貨というアナログなお金から暗号資産というデジタルなお金に変換することは、コインチェックなどの中央集権的な取引所を利用する以外に手段がありません。
しかし、今回の発表によるとDID(分散的なID)を用いることによって法定通貨を暗号資産に変えることが可能だというのです。ビットコイン好きのジャック・ドーシー氏が推進しているプロジェクトですので、おそらくビットコインでの利用を想定していると考えられます。
もし、これが実現したならば、より気軽に日常生活で暗号資産を利用することが可能になり、現状金融へのアクセスが閉ざされている途上国の人々にも金融へのアクセスを開放することになるといえそうです。
◆まとめ
「Bitcoin is KING」との言葉もあるように、王として長い間君臨し続けたビットコインですが、今後その立場がどうなっていくのか不透明です。もちろん、すぐにその座から転落する可能性はかなり低いと考えていますが、なによりアルトコインのその開発速度の凄まじさには圧倒されます。そんな状況のビットコインですが、今回の「tbDEX」によって巻き返しを図ることができるか、期待ですね。
今週は取引なし。総資産は2万52円(先週比プラス・マイナスゼロ)で変わらず。
児山将のワンポイントアドバイス
注目度が低いスクエア社の分散型取引所に注目しているとは、さすがです。材料難で動意がなくなりつつあるビットコイン相場で、次に大きい材料がこれだという声もあります。
スクエア社が昨年11月に50億円ほどビットコインを買った際には大きく上昇しましたし、米コインベースが上場した際に、当時の最高値を付けました。ジャック・ドーシーは何かをやってくれるという期待の声が業界内でもあるようで、新しい追い風が吹くことが期待できそうです。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月19日現在 2万52円