岸田政権初の経済対策 「バラマキ」「弱腰」...... 散々な評判のワケは?

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自民党は「規模を増やせ」の大合唱!

   経済対策の規模にも与党の影響力が見える。岸田首相は自民党総裁選当時から経済対策について「数十兆円規模」と相当規模の財政支出を「公約」してきた。しかし、首相に近い議員は「ここまで大規模になるとは想定していなかった」と明かす。

   肥大化させたのは、与党内の歳出拡大論者だ。安倍晋三元首相が「真水で30兆円超」の大型対策を求めるなど自民党内は「規模を増やせ」の大合唱。2022年夏の参院選を意識し党内の足場固めをしたい岸田首相はこれに抗うことができず、経済対策の策定は「規模ありき」に変容していった。

   安倍政権では経済対策の決定権を官邸が握り、「アベノマスク」と呼ばれた全世帯へのマスク配布を含め官邸の意向が内容に強く反映された。しかし、岸田首相は「政高党低」路線からの脱却を目指し、与党の声を広く政策に反映する姿勢を示している。

   だが、それが発言権を増した与党の「増長」につながった。官邸は存在感を発揮できず、看板の「分配」政策でさえ、与党内の要求に屈した「バラマキ」の印象を強める皮肉な結果を招いたというのが実態に近い。

「与党の幅広い声を受け入れれば政策の規模は膨らむ半面、経済対策全体としての効果は薄れ、『岸田カラー』も薄れてしまう。今回の対策の評判が悪いのも当然だ」

   霞が関の官庁幹部は、こう突き放した。

(ジャーナリスト 白井俊郎)

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