犬・猫の治療は人間並みに
「週刊ダイヤモンド」(2021年11月27日号)は、「犬&猫 『うちの子』の大問題」と題して、ペットの病気、老い、お金にまつわる特集を組んでいる。博報堂生活総合研究所の調査によると、ペットを家族の一員と考える人は約6割。コロナ禍でペットを飼う人も増えている。その悩みを見ると、「とにかく動物病院での支払いが高い」「手術などの場合に、獣医師のレベル・腕前が気になる」など動物病院に関するものも多い。
ペットが心臓病、がんなど人間並みの疾病を患うようになった今、2種類の動物病院を使い分けるのが賢いという。一次診療は近所のかかりつけの動物病院で、二次診療は高度な医療を行う専門の動物病院だ。
全国の獣医師へのアンケートを基に、信頼できる動物病院をランキングしている。1位になったのは日本動物高度医療センター(川崎市の本院と名古屋市、東京都足立区に分院)、2位は日本小動物医療センター(埼玉県)、3位はどうぶつの総合病院(埼玉県)。
驚いたのはペットの医療水準が上がっていることだ。犬の心臓弁膜症の外科手術や犬、猫のがん治療の選択肢が人間並みに広がっていることだ。また、犬のヘルニアや猫の腎臓病などペットにも再生医療が導入さえていることを紹介している。
診察料金の一覧やペット保険の選び方など実用記事も充実している。ペットが老いる、飼い主も老いる。進行するペットの老老介護問題も深刻だ。ペットと入れる老人ホーム、ペットに「お金を遺す」方法も紹介している。
フランスでは18日に成立した動物愛護法で、ペットショップでの犬と猫の販売が、24年1月以降禁止されることが報道されたばかりだ。日本ではまだ規制が甘い。ペット流通の醜い内幕も取材しており、ペットを飼うのをためらう人もいるだろう。
女優の杉本彩さんは、公益財団法人動物環境・福祉協会Eva理事長でもある。コロナ禍で増えた犬・猫の衝動買いを憂えている。
ビジネス誌が扱うテーマは幅広いが、ここまでペットについて詳しく紹介したことはあっただろうか。現にいまペットを飼っている人には必見の特集だ。
(渡辺淳悦)