衝撃!「エネルギー危機が来る」週刊東洋経済が特集 エコノミストは「米株高」、ダイヤモンド「犬&猫の大問題」

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米国株が下落するリスクとは?

「週刊エコノミスト」2021年11月30日号
「週刊エコノミスト」2021年11月30日号

   「週刊エコノミスト」(2021年11月30日号)の特集は、「危ない! 米株高」。史上最高の米株価だが、2022年末まで下落要因がひしめいていると警告している。3人のエコノミストのレポートが興味深い。

   緩和縮小リスクを指摘しているのは、吉野真太郎氏(カイカ証券ヴァイスプレジデント)だ。「米欧日で資金供給が900兆円増えており、反動で米株は22年末に下落も」と指摘している。

   日米欧のマネタリーベース(中央銀行が世の中に供給するマネー)と株価には強い相関関係があるといい、S&P500指数を予測している。前回14年10月の米国の量的緩和終了以降の株価推移を参考にシミュレーションを行い、マネタリーベースが60兆円減ると、S&P500指数は11月中旬の水準からや約8%下落すると予測。

   仮に日米欧ともに、50兆円程度でマネタリーベースを減らし、対円相場がドル、ユーロに対して10%円高に振れたと仮定すれば、調整幅は約15%から20%近くにまでなる可能性があるという。米国のみならず、日本、欧州もテーパリング(段階的縮小)にかじを切るか注目したい、としている。

   もう一人、緩和縮小リスクを懸念しているのは松本史雄氏(岡三証券チーフストラテジスト)だ。物価連動国債の金利(国債の利回り)の上昇が、株価調整・下落のリスク要因になるというのだ。

   PER(株価収益率)が15倍を上回った14年ごろから、S&P500指数と物価連動債金利が逆相関関係にあるという。だから実質金利の上昇が引き金になり、PERが過去平均の16~17倍へ調整し、株価にして20%程度下落する可能性もあると見ている。

   しかし株価が下落しても、その後の企業業績拡大により株価は回復し、長期的に見れば米株は押し目買いのチャンスになるとも。だが短期的には日本株の影響も予想されるため、物価連動債金利は人ごとではない指標だと注意を促している。

   さらに、インフレリスクを指摘しているのは、井上祐介氏(丸紅経済研究所チーフ・エコノミスト)だ。全米に輸入される貨物取扱量の4割を扱う、西海岸のロサンゼルス港とロングビーチ港の混乱で物流が滞り、年末商戦に悪影響が出ているという。急回復した消費活動に対し、荷役労働者が不足。労使交渉が決裂すれば港湾封鎖も起こり、インフレが懸念されるという。

   米株価の上昇を予想する特集が何度となく掲載されてきたビジネス誌だが、ここに来て、赤信号が灯ったことに注意したい。

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