ライオン株が連日、年初来安値を更新 投資家が原材料高の利益圧迫を嫌気 反転の材料乏しく

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いつまで続く、不気味な原材料高

   では、なぜ株価が上昇せず、11月16、17、18日と3日連続で年初来安値を更新し、18日終値が決算発表直前の5日終値と比べ、122円(6.6%)安の1736円となったのか――。

   通期(2021年12月期)の業績予想を据え置いたことが一因のようだ。つまり、四半期を追うごとに増収し、第3四半期の営業利益が市場予想を上回っても業績予想を上方修正しないからには、原材料高の影響が、今後なお大きく続くと会社がみているのだろうとの連想が投資家に広がっているようなのだ。

   大和証券は11月8日付のリポートで、「原材料高や償却増など来期業績には不安要素も」と指摘した。野村証券は11月9日付のリポートで目標株価を2200円から2150円に、わずかながら引き下げ、今回発表した決算の内容が「原料高による収益悪化懸念が残る結果となった」と記した。

   もっとも、証券各社では、中長期的には成長を見込めるとの見方が多い。目標株価を引き下げた野村証券も「短期業績は厳しい」としつつ、「(歯磨き用品などの)国内オーラルケアと海外をけん引役とした中期成長の見方は不変」とし、むしろ「株価に割安感がある」とも主張している。

   とはいえ、中長期の成長力を買おうとする投資家が多数派でないのは株価が示している。それだけ投資家が今の原油高、原材料高をいつまで続くか、わからない不気味なものととらえているのだろう。(ジャーナリスト 済田経夫)

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