面接のマニュアル化が不可欠
オンライン面接を成功させるには、どうしたらいいのだろうか。まず、候補者を集めるための説明会からスタートする。オンライン説明会の6つのポイントを挙げている。
1 動画の時間は短めにする
2 配信者が慣れた場所から顔見せで説明する
3 話すスピードは普段と同じか少し速め
4 オンライン説明会用のコンテンツを準備する
5 オンライン説明会以外でも候補者に情報を提供する
6 候補者が価値を実感できるコンテンツを作る
こうして集まった候補者といよいよオンライン面接をする。成功させるには「構造化」が肝だという。面接の質問内容や評価方法などをあらかじめ決める、マニュアル化のことだ。
構造化したオンライン面接とは、例えば「今日はこういうことについて、3つの質問をします」というように、事前に設計していることだ。こうした組み立てがないと、オンラインでは会話がスムーズにいかず、候補者は話したいことが話せない。その結果、むしろ候補者の企業にたいする評価が下がることもある。
対面とオンラインを併用するハイブリッドな面接をする場合は、対面をどのタイミングで行うかがポイントになる。「なぜ、それをやるのか?」という意図を明確にすることを求めている。
従来多かった集団面接という手法は今後どうなるのだろうか。候補者を絞り込むスクリーニングの方法は他にも様々あるというのが結論だ。適正検査や「この会社は自分に合っていない」と候補者に気づかせる「セルフスクリーニング」を強化するのも一つの方法だ。
今回のコロナ禍による経済的な変動の大きさは、「過去に研究者が作ってきた指標がほとんど使えないほど」のものだという。採用の方法と企業が求める人材、また候補者が企業に求めるものも変化していくだろう。「採用」という切り口からアフターコロナの時代を展望した良書といえよう。
「オンライン採用」
伊達洋駆著
日本能率協会マネジメントセンター
1980円(税込)