きょうは、企業にお勤めの50代のHさんがいらっしゃっています。
「40~50代は使えないとか、生産性が低いとか、そんな記事をここ最近目にする機会が増えました。そういえば、先日のサントリーホールディングスの新浪剛史社長の『45歳定年』発言からかな。風当りが強いのは。もちろん、言いたいことはわかりますし、該当する年齢なので『このままじゃまずいな』という危機感はあります。とはいえ、会社員の私に何ができるでしょう。仮に雇用延長を受け入れるとして、会社でどうやっていけばいいのでしょう」
変化に慣れる準備をしておく
先日、60歳で再雇用になったお客様がお見えになって、話をお聞きました。給与は現役時代の3分の1になったけれど、まぁ働き続けられるからいいのかなという気持ちと、やっぱりもう少し給与が高かったらいいなという気持ちが混ざっているということでした。
2021年の「改正高年齢雇用安定法」で、定年が70歳まで引き上げられたものの、日本の企業が右肩上がりで成長していれば別ですけど、さすがに賃金のベースアップを期待するのは難しいですよね。
そこで自ら変化に慣れる準備をしておきましょう。50代と60代では企業においての立場、社会からの評価が残念ながら変わります。代表取締役やそれに近い役職になっていないと、これまでの会社の肩書きはなくなると考えておいたほうがいいでしょう。役職なんて気にしていないと言っていた人も、いざ60代を迎えると
・給与が少なくなった
・役職がなくなった
・取引先の態度が変わった
など......。なかなか現実を受けられないという声も聞きます。
そのため、自分の中で変化に慣れる準備をしておきましょう。じつは私たちは40代~50代と、だんだん変化しない生活に馴染んでしまっています。私もそうですが、洋服は決まったブランドやお店でしか買わなくなったり、決まった飲食店を選んでいたりと、無難なものを選んで、だんだんと冒険しなくなっているのを実感しています。
このように時間と労力を極力減らしながら、ふだんの生活から変化が少なくなってきているのです。ここに、いきなり「雇用延長」などで変化がドンとやってきても、なかなか受け入れられない人が多いのですね。