「自分への過大評価を成長のチャンスにしよう」
――川上さんなら、この投稿者にはどうアドバイスしますか。
川上さん「仕事ができると思われていると、最初から周囲の期待というハードルが上がった状態で仕事に取り組むことになるため、投稿者さんはどうしてもつらい役回りを担うことになります。それは事前に防ぎようもないので、もどかしいこととお察しします。 振る舞い方としては、大きく二つポイントがあります。一つは、相手から仕事ができそうだと、明らかに過大評価されていると感じた時は、キッパリと自分にはできないと言い切ることです。相手の期待に応えない意思を示すのは勇気がいることですが、曖昧なスタンスで安請け合いしてしまうと相手に迷惑がかかることになり、結局自分自身が傷ついてしまうことになります。
もう一つは、逆に自分への過大評価を成長の好機と捉え直すことです。仕事が振られたり、期待されたりしているということは、チャンスに恵まれているということでもあります。今は実力不足でも、仕事を通じて成長できれば、後から実力がついてくることもあります。期待に応えないという意思を示すのと同様に、自分への過大評価を好機と捉えることにも勇気がいりますが、その勇気は投稿者さんご自身に大きなメリットをもたらすでしょう。投稿者さんは他の人にはない選択肢が与えられている点で、恵まれていると言えます」
――なるほど。ピンチをチャンスに変えるわけですね。また、投稿者とは真逆ですが、「仕事ができるのに、できなそうに見えて悔しい」という女性にはどうアドバイスしますか。
川上さん「チャンスに恵まれないのはつらいことですが、それもまた自分ではコントロールできないことです。大切なのは、ないものねだりをするより、いま目の前の仕事に全力で向き合い、しっかりと成果を出すことだと思います。地道な努力を続ければ、それはいずれ誰もが認める実績となり、『外見』のような曖昧な根拠ではなく、新たなチャンスを引き寄せる確実で心強い武器になるはずです。実績に勝る信頼はありません」
(福田和郎)