5%の国民が「考える消費」をすれば、日本は世界のリーダーになれる!?

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国が果たす役割は明確なミッションを掲げること

   最後の章で、サステナブル資本主義への方向転換は、日本にとって大きなチャンスであり、実現すれば世界のリーダーになれると説いている。

   iPhoneが世界で最も普及したほど個人が十分に豊かであること、教育インフラがあり教育水準も高く、ファイナンスや投資、経営、世界のトレンド、社会課題について教える機会を提供できれば、強い武器になるからだ。

   また、日本は人口減少、高齢化社会という課題に直面しているが、世界でより早く課題に触れられるのはメリットだという。

   国が果たす役割は、巨額な資金提供ではなく、明確なミッションを掲げることだとし、日本がコミットしていくべき領域、投資していくべき領域は、デジタル技術、生命科学、分子素材、経営の4つだと断言している。

   そして、人口の5%が「考える消費」をしていけるなら、大きな力になる、と結んでいる。日本の未来について暗い話題が多い昨今、久しぶりに明るい展望を語った本を読んだ気がした。しかし、それは無条件に訪れるわけではない。村上さんは、今は「江戸時代末期から開国に向かった幕末に近いような気もしています」と書いている。

   この変革期に、一人ひとりの国民が意識を変革していくことが求められている。

「サステナブル資本主義」
村上誠典著
祥伝社
1760円(税込)

 
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