ドイツのコロナ感染が「ロケット級」の激増! ワクチン未接種者へのロックダウンは効果あるのか?(井津川倫子)

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   欧州で再び新型コロナウイルスの感染者数が急増しています。なかでも、ルールを守る「真面目な国民性」で知られるドイツとオーストリアでの感染拡大は、「いったい、何が起きているのか?」と世界中を震撼とさせています。

   両国では、ワクチン未接種者を対象とした「ロックダウン」など、厳しい規制も始まりました。本格的な冬の到来とともに、パンデミックも再燃するのでしょうか。ワクチンとの闘いは......。新型コロナの最新情報を追ってみました。

  • ドイツやオーストリアで再び猛威を振るう新型コロナウイルス(写真は、国立感染症研究所提供)
    ドイツやオーストリアで再び猛威を振るう新型コロナウイルス(写真は、国立感染症研究所提供)
  • ドイツやオーストリアで再び猛威を振るう新型コロナウイルス(写真は、国立感染症研究所提供)

冷静沈着なドイツ人も「パニック」になった「ロケット花火」

   新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いている日本と比べると、まさに別世界の出来事のようです。先日、感染者数・死者数ともに急増しているドイツで、1日当たりの感染者数が初めて5万人を突破! ワクチン導入前の感染ピーク時と比較しても2倍近い「爆発ぶり」に、英国の新聞は「ドイツがパニックに!」と、戦々恐々と伝えています。

Germany sparks panic as coronavirus cases have skyrocketed
(新型コロナの感染者急騰で、ドイツはパニックに陥っている:英紙ガーディアン)
spark panic:パニックが起こる
skyrocketed:急騰する、ロケット花火

   面白いのは、「skyrocket」という単語を使っていることです。文字どおり「sky」(空)「rocket」(ロケット)を組み合わせた単語で、ロケットが空に急速に上昇するように「急騰する」「急増する」という意味です。

   「skyrocket」の一語で、あまりにも短期間のうちに感染者数が急増したこと、ふだんは冷静なドイツ人でさえパニックに陥るほどの感染状況だということが伝わってきます。

   英BBC放送のラジオニュースを聴いていたら、コロナ感染拡大のためにミュンヘンのクリスマス市が中止になったと報じていました。すでに開催準備を進めていて、300万人もの観光客を見込んでいたそうです。

   ワクチンの普及で感染状況が一服していただけに、クリスマス市の中止は「パンデミック再燃」の象徴となっている様子。「また、暗い冬を迎えるのか...」と、絶望が広がっていると伝えていました。

世界初!「ワクチン未接種者」へのロックダウン効果は?

   ドイツと同様、感染悪化が深刻な隣国オーストリアでは、他国に先駆けて厳しい制約が導入されました。新型コロナウイルスのワクチン接種を完了していない人だけを対象とした「ロックダウン」です。

   ワクチンを接種していない人は、外出などの行動が制限され、違反すると最高1450ユーロ(約19万円)の罰金を科されるようになりました。

Austria introduces lockdown for unvaccinated
(オーストリアは、ワクチン未接種者に対してロックダウンを導入した:英BBC放送)
unvaccinated:ワクチン未接種者

   「unvaccinated」は、「vaccinate」(ワクチン接種をする)という単語に、否定語の「un」(不)を組み合わせたことばで、「ワクチン接種をしていない」という意味です。「unvaccinated」だけで「ワクチン未接種者」を表しています。

   「unvaccinated」(ワクチン未接種者)は、最近のトレンド英語ですからしっかり覚えておきましょう。「unvaccinated people」(ワクチン未接種の人)とすればよりていねいですが、「unvaccinated」だけでも通じます。

   それでは逆に、「ワクチン接種完了者」はどう表現するのでしょうか?

Less than 70% of the population is fully vaccinated
(ワクチン接種完了者は国民の70%以下だ:英紙ガーディアン)
fully vaccinated:ワクチン接種完了者

   「fully」(完全に)という副詞を加えた「fully vaccinated」(ワクチン接種完了者)も最近本当によく目にします。「unvaccinated」とセットで覚えておくとよいでしょう。

   ちなみに、オーストリアのロックダウンでは、「unvaccinated」(ワクチン未接種者)は、仕事や生活必需品の買い物以外の外出は制限され、カフェやレストラン、ブティックやデパートなどへの入店は制限されているそうです。

   200万人近くが今回のロックダウンの対象と報じられていますが、「制限」を嫌ってあわててワクチンを接種する人たちが急激に増えているとか。ロックダウンに反対するデモも起きていますが、一定の効果はあるようです。

   それでは、「今週のニュースな英語」「fully vaccinated」のように「fully ~ed」を使った表現を紹介しましょう。「完全に~された」という意味で、ビジネスや日常生活のいろんな場面で使います。

Hotel guests can work out at the fully equipped fitness center
(ホテルの宿泊客は、フル装備のフィットネスセンターで運動できる)

I want to rent a room with fully equipped kitchen
(私はフル装備のキッチンがある家を借りたい)

Let's check fully furnished houses for rent
(家具付きの家を探そう)

Princess Mako, new husband moved into fully furnished one-bedroom
(プリンセス眞子と新郎は、 家具付きのワンベッドルームの部屋に引っ越した)

   ワクチンのおかげで感染状況が一服していただけに、人々の落胆も大きいのでしょう。人々の日常が「fully」(完全に)戻ってくるのはいつになるのか......。マスクと手洗い、うがい、そして「未来への希望」を忘れずに日々を過ごしていきたいものです。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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