今週(11月8日週)のビットコインは週半ばに大きく上昇。750万円台を突破して最高値をつけた。その後、調整が入ったが、この流れにビットコインを保有する北海道大学の渡部真人さんは、「利益を確定してもよかったかもしれない」と、ちょっと後悔。現在も保有を続けている。
明治大学のakiさんは、暗号通貨バトルがいよいよ終盤を迎えたことで、「今まで注目していなかった通貨を中心に短期トレードを繰り返してみたい」と、意欲をみせた。気になっているのは、純国産の仮想通貨「モナコイン」だ。慶応義塾大学の1028さんは、取引をお休みした。
ビットコイン、800万ドルの壁はまだ高い?(北海道大学 渡部真人さん)
今週(11月8日週)のビットコインは、週半ばに大きく上昇した。左のグラフからもわかるように、11月7日前後には680万円ほどだったビットコインが、8日から急上昇して750万円台を突破。10日終わりには777万円とラッキーセブンの最大値をつけた。
いまだにホールドを続けているが、利益を確定してもよかったかもしれない。反発で大きく下がらなかったのが救いだ。720万円ほどで1週間の流れを閉じるだろう。先週から144円プラスで、一時300円以上プラスをつけたときもあったので、少し悔しい。800万ドルの壁はまだ高いということか。
ビットコインと同じようなチャート相を見せているのがイーサリアム(ETH)で、1週間で4%のプラスだ。大幅に高騰したのはバット(BAT)で、1週間で20%近いプラス。バットはこの仮想通貨バトルで初めて購入した通貨で思い出も深いのだが、私が売った後に伸びてった。私はバットが50円台の時に買うか迷っていたが、その時買って入れば現在は136円。彼も新しい人生を見つけて走りだしたようだ。
反対にポルカドット(DOT)やテゾス(XTZ)はこの1週間で下落ぎみだ。この1週間は仮想通貨によって値動きが異なったため、投資家の腕が問われるものだったが、4000円ほどの資産しかない筆者はチャートを目で追うことしかできなかった。ポルカドットが安いと思って買おうと思っても買えないのである。読者の方々、お許しあれ。
マーケットではインフレ懸念によるものか、米国株式市場はこの1週間は冴えなかった。ニューヨークのダウ平均株価は6週ぶりに下落し、S&P500、ナスダックもともに6週間ぶりの下落だ。金利上昇圧力は高まり、FRB(米連邦準備制度理事会)は手を焼いている。10月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.2%上昇し、インフレ懸念は再燃した。それでも米国株の底堅さはあるが、金利上昇は明らかであり、それが前倒しになるのではないかという観測が出てきている。
先週までは、FRBが提供する資金の量が減るだけで金利上昇はすぐには来ないという予測であったが、今週に入ってそれがひっくり返ったのではないか(もちろん、もっと前から金融引き締め懸念はあったのだが)。
そんななか、上昇するビットコインの現物ETFの上場がSEC(米証券取引委員会)に却下された。12日のことだ。先日に先物ETFが承認されたものの、現物には厳しい態度のままだ。13日に入ってのビットコインの下落は、それが原因であろう。
操作や詐欺的な行為を防止する設計と投資家たちの利益保護の仕組みが整っていないとして証券所取引所法の要件を理由に退けた。ビットコイン取引において不正防止に向けた「監視共有契約」を結ぶのが難しいのも一因だろう。
筆者の意見だが、現物ETFを承認することはビットコインの根本的な仕組みに立ち返ることを意味すると思う。ビットコインはデジタル上の通貨であり「共同幻想」だ。ここまでビットコインは各国の中央銀行の金融政策に振り回されないからここまで大きくなってきたのだと思う。国境を越え、皆がそこに価値があると信じる(実際に使用もできる)。現物ETFはビットコインを持つ人たちのために管理者を要求することになる。
それはこれまでビットコインを伸ばした原則と矛盾しないか。―一学生は考える。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
11月9日に、ベーシック・アテンション・トークン(BAT)が使えるブレイブのブラウザーを、ソラナ(SOL)ブロックチェーンと統合させ、ソラナの分散型アプリ(DApps)に対応できるようにすると発表がありました、これにより、BATの価格は急騰し1日で30%以上も上げることとなりました。なお、ブレイブには月間4200万人(1年半ほど前は1000万人)のアクティブユーザーと、130万人のコンテンツクリエイターがいます。
前週からの損益 プラス144円
11月12日現在 3877円
モナコインに興味津々(明治大学 akiさん)
こんにちは。akiです。
この暗号資産バトルももう少しで終わってしまうので、今まで注目していなかった通貨を中心に短期トレードを繰り返してみたいと思います。
現在、気になっているのはモナコインです。
「モナコイン(MONA)」は、純国産の仮想通貨になります。2014年、ライトコインをベースとして開発されたのがモナコインです。匿名掲示板2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)がきっかけとなって誕生しました。当時、2ちゃんねるで有名なアスキーアート(数字や記号を用いて描く絵のこと。改行を多く用いて文字記入欄に絵を作る。)であった「モナー」というキャラクターが元になっています。
開発当初はコミュニティの「投げ銭」の利用が主でしたが、対応していれば実店舗でも利用することができます。ツイキャスやPixiv、ニコニコ動画といったコミュニティで、個人情報を開示せずに投げ銭を通してクリエイターを応援ができる点から、一部の根強いファンがいます。しかし、現在、モナコインに関するプロジェクトの進行についてニュースは出ていないので長期的な保有には注意が必要です。
機能面でも注目すべき点が2点あります。一つ目はアトミックスワップが使える点です。アトミックスワップとは、異なる通貨を仲介者なしで瞬時に取引することができる技術のことです。個人間で通貨のやり取りをする際には、持ち逃げされる可能性が高く、仲介者(取引所)が必要でした。しかし、アトミックスワップを使えば、取引所を介さずともユーザー同士で安全に取引することが可能になるのです。
二つ目は、Segwitを導入している点です。Segwitとは、Segregated Witnessの略称で、取引データを縮小することでトランザクション(取引)の処理速度を上げる技術のことです。モナコインはどのコインよりも早くSegwit機能を実装しました。これにより、モナコインの「送金詰まり問題」が解消され、ビットコインのトランザクション処理に10分程度かかるところを1分で処理できてしまうモナコインは実生活で用いる通貨としても注目できるでしょう。
2つの機能をうまく使い、条件が揃えば、取引処理に時間を要する通貨の橋渡しができるので高速送金が可能になります。
今回モナコインを調べてみて、国産の仮想通貨であり、ツイキャス(ライブ配信サービス)などでも利用できるとあり、とても身近な仮想通貨だと思いました。また、機能面でも利便性に優れていると感じました。
11月22日週までは、この通貨を中心に取引したいと思います。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
モナコインは日本初の仮想通貨ということで、2017年の仮想通貨ブームでは20円から2000円まで100倍に急騰したことがありました。しかし、2018年5月には攻撃を受けブロックチェーンの買い残が行われました。これにより交換業者は、一時承認ブロックを100回にするなどの対応が取られました。その後は、DMM Bitcoinでレバレッジ取引として取り扱われたりしたものの、ここ一年は国内の交換業者での取り扱いはなく、売買代金も1日10億円を下回っている状態にあります。それでも、100~200円の安定した価格が維持されていることは、根強いファンがいる影響ではないでしょうか。
11月12日現在 1万1851円
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月12日現在 1万7円
◆ 大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトルのルール学生投資連合USIC
・元本は1万円です。
・投資する暗号通貨の選定は自由です。ただし、国内で購入できる暗号通貨に限ります。
・レバレッジは、かけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)します。
・元本割れは1回まで。リベンジ(再投資)可能ですが、2度、資産(合計で2万円分)を失った場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/