東京都、大阪府... 大都市ほど医療費負担は重い
年齢階級別国民医療費を性別にみると、男性では0歳から44歳が3兆7368億円で全体の17.4%、45~64歳5兆831億円で23.6%、65歳以上は12兆7271億円で59.1%に、女性では0歳から44歳が3兆9850億円で17.4%、45~64歳は4兆5216億円で19.8%、65歳以上は14兆3358億円で62.8%となっている。
平均寿命が男性に比べて女性のほうが長く、人口数が多いことも関係しているのだろうか、65歳以上の女性が最も医療費を使っている。
ただ、人口1人当たり国民医療費では、男性の65歳未満は19万2500円、65歳以上は81万5800円なのに対して、女性は65歳未満が19万1300円と男性と同水準だが、65歳以上は70万6700円と女性のほうが10万円以上も低くなっている。
では、都道府県別の国民医療費、人口1人当たり国民医療費ではどうなのか。患者の住所地を都道府県別にみると、東京都が4兆4571億円と最も高く、次いで大阪府が3兆3956億円、神奈川県が2兆8889億円となっている。
上位に入っている都道府県は大都市を抱えた人口の多いところであり、総額で上位にランクしている。これは、下位が鳥取県2050億円と最も低く、次いで島根県2677億円、福井県2733億円を見ても明らか。
一方で、人口1人当たり国民医療費をみると、上位では高知県が46万3700円と最も高く、次いで長崎県43万3600円、鹿児島県43万3400円となっている。これらの県は進行減少と高齢化が進んでいる県が多い。
下位をみると、千葉県が30万8500円と最も低く、次いで埼玉県31万900円、神奈川県31万4100円となっており、総額(国民医療費)で上位に入っている大都市を抱えた県でも、1人当たりでは下位となっている。
今回の国民医療費は2019年度のもので、新型コロナウイルスの感染拡大の影響はほとんど受けていない。コロナ禍の影響を受けた2020年度の国民医療費がどのように変化しているのか、注目される。(鷲尾香一)