H2Oの統合に待った! 可決と否決は紙一重、関西スーパー争奪戦の行方は?

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多くの謎が残る「可決」の経緯

   事態が急転したのは2021年11月9日。オーケーが「本来否決だった議案が可決と処理された疑義がある」として、関西スーパーのH2Oとの統合の差し止めを求めて神戸地裁に仮処分を申請したのだ。

   臨時株主総会には裁判所が選任した検査役(弁護士)が立ち会っており、検査役が11月5日に裁判所に提出した報告書が、舞台裏で起きていた出来事を明らかにした。じつは、臨時株主総会の日の14時50分過ぎ、総会の担当者が検査役に対して、統合案の賛成比率は65.71%で「否決だった」と報告していた。

   ところが、その直後に総会の休憩を延長するとアナウンスがあり、休憩中に1人の株主が「棄権で投票したが賛成のつもりだった」といった旨を総会の運営担当者に申し出た。ここで異例なのは、事前に賛成の議決権を行使していたことなどを理由に、「棄権」で集計していたこの株主の議決権を「賛成」に変更して再集計してしまった。

   この結果、16時10分ごろに総会は再開され、僅差の可決が報告された。検査役に報告するぐらいだから、最終結論でもおかしくないはずだが、なぜ休憩を延長したのか。投票を締め切った後に株主の判断を変更できるのか。1%近い議決権を持つ株主とは何者なのか。多くの謎を残す経緯だ。

   同様のケースで変更を認めた判例があり、関西スーパー側が有利との見方もあるが、予断を許さない。

(ジャーナリスト 済田経夫)

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