凸版印刷株が10%高、半導体需要増で上方修正を好感 「デジタル」シフトを加速!

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持ち株会社制へ移行、上場子会社を非上場・子会社化

   組織再編も好印象を与えた。まず、ATM(現金自動預払機)の利用明細書や宅配便の送り状などの「ビジネス帳票」などを手がける子会社、トッパン・フォームズ(唯一の上場子会社)を、TOB(株式の公開買い付け)によって2022年3月までに完全子会社化する。

   現在60.74%を保有しており、残りの株式を約675億円かけて取得する。重複投資を避け、効率的に運営するためだ。

   さらに、2023年10月をメドに持ち株会社体制に移行することを基本方針とし、23年6月の定時株主総会に関連議案を提案する、とした。一方、フォトマスク事業は分社し、投資ファンドの出資を受ける。これは半導体需要の変化に機敏に対応できるようにする狙いだ。

   SMBC日興証券は11月10日発行のリポートで、「ガバナンス強化が実行力を伴う形で出現してきていると考える」と評価した。

   凸版印刷は21年4月から断続的に、タレントの大泉洋さんを起用した印象的なテレビCMで印刷だけではなく、さまざまな領域で課題解決を手がけていることをアピールしている。今回の組織再編はそうした課題解決を的確に遂行する手段ということなのだろう。

   また、持ち株会社化したアサヒビールが、アサヒグループホールディングスの社名から「ビール」の祖業を除いたように、凸版印刷も恐らく「印刷」が消えるのではないかとみられる。祖業からの脱皮が遅れているかつての名門企業には見習うべき点が多いと言えそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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