フロントの決断! 栗山前監督の「後任」としての資質
一つは、新庄氏が2023年シーズンに鳴り物入りで移転オープンする新球場にふさわしい、「人を呼べる」人選であるという点。プロ野球球団といえども、ビジネスであり、いかに収益を上げるかを最優先で考えるのはマネジメントの基本です。
もちろん、プロスポーツはより多く勝つことで人気を集め収益向上につなげるのが主要戦略でありますが、スター性のある指導者を呼ぶことでより大きな収益につなげるという新しい視点には見習うべき部分ではあるでしょう。
さらに過去10年にわたる長期政権であった栗山英樹前監督の後任として、これ以上ない人選であるという点もまた参考になります。一度の日本一、二度のリーグ優勝という実績と、大谷翔平という前人未到の「二刀流」を育てたという指導者としての栗山監督の功績の大きさから、後任が正統派の監督では荷が重いという感すらあったわけです。
しかし、新庄氏のような一見奇抜に思われるタイプは前任者と比較対照されにくい人選であり(実際の新庄氏は前述のとおり、オーソドクスな理論派のようですが)、後任も非常にやりやすいという点でなかなか揮った人選であったといえそうです。
この点は、企業経営で長期政権後の後任社長を決める際にも、大いに参考になる人選方法ではないでしょうか。
いずれにしましても、年明けのキャンプイン以降、「新庄フィーバー」でプロ野球報道が盛り上がるのは必至でしょう。マネジメントの観点からも、引き続き注目していきたい人物です。(大関暁夫)