意外な理論派?! 目からウロコの「ビッグボス」新庄流、選手の実力診断(大関暁夫)

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1打点も、1失点を阻止するのも貢献度は同じ

   また新庄氏はSNS上で選手に宛てて、「1打点をあげるのも、1失点を阻止するのもチームへの貢献度は同じ。すなわちホームラン一本も捕殺1個も同じ1点の貢献ということ。常に自分にできる貢献で、プレーに取り組んで欲しい」とのコメントも発しています。

   じつに明快で今様です。ビジネス組織におけるダイバーシティの考え方と符合する考え方でもあります。目立つ行動ばかりに陽があたる人事は、今や時代遅れですから。

   もう一点、新監督の行動でこれはと思ったのが、午前の練習終了後の休憩時間にグラウンド整備のトンボがけをする選手たちからトンボを取り上げて、監督自らがトンボがけをしていたことです。

   これについては、「選手は午後の練習に備えて休んで欲しいし、そもそも選手が練習に専念できる環境を作るのが監督、コーチの役目」と、新庄氏は話しています。

   ビジネスの現場においても、管理者は担当者が担当業務に専念できるための伴走者であるべきであり、事務的な仕事や付随的な仕事は管理者自らが手を動かすべきであるのと、まったく符合するのです。

   新庄氏の行動は、上に立つ者として理想的な心がけであると思いました。新庄氏が現場指揮官として、どのような活躍をしてくれるのか、今から楽しみです。

   さて、今回の新庄監督誕生におけるもう一つの視点として、これを決断した日本ハム球団のマネジメントの考え方にも大いに参考にしたいものがあります。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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