「つながり断ち」7つのヒント
そして、無理のない「つながり断ち」7つのヒントを、前章で紹介した7人の名前とともに、挙げている。
1 プラトン <距離> スクリーンを手放す時間を持つ
2 セネカ <内面の探究> スクリーン上での世間とのつながりを最小限に抑える
3 グーテンベルク <内省のためのテクノロジー> ワイヤレス接続をオフにする
4 シェイクスピア <古きよき道具> 手帳やノートを利用する
5 フランクリン <前向きな儀式> スクリーン禁止時間を設ける
6 ソロー <内面を大切にするための場所> ネットにつながらない空間を設ける
7 マクルーハン <地球村から自分村へ> 地元など身近なものに関心を持つ
著者はこれらをヒントに「インターネット安息日」を家庭につくった。金曜日の就寝時にモデムの電源を切り、土日はオフラインの生活を送るようにした。ただし、携帯メールだけは残したという。最初は慣れず、仕事での不都合も生じたが、しだいに慣れ、家族の団欒の時間が増えた週末を楽しんでいるという。また、外で過ごす時間が増え、近隣の人々と会ったり、自然を楽しむようになったりしたそうだ。
そして、紙の新聞と手帳が、さらに「役に立つもの」になった、と結んでいる。
読み終わり、スマートフォンを利用する時間が増えたことの弊害を何度となく、ネットニュースに書きながら、ネット漬けになっている自分が見えてきた。とりあえず、手書きの手帳をもっと活用することから、「つながらない生活」を実践しようと思った。
(渡辺淳悦)
「つながらない生活」
ウィリアム・パワーズ著、有賀裕子訳著
プレジデント社
1870円(税込)