部品不足で試されるトヨタの真の実力 「実質下方修正」の業績の上方修正のカラクリ!?

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高まる自動車需要、人気車種は出せば売れるけど......

   ちなみに、トヨタが上方修正を発表した翌11月5日、ホンダは2022年3月期連結業績予想を売上高、利益ともに下方修正した。21年8月時点で485万台としていた通期のグループ四輪販売台数見通しについて、部品の半導体が不足しているため、420万台に引き下げたからだ。

   2021年4~9月の世界生産台数ではトヨタや日産自動車は前年同期より増加したが、ホンダは減少しており、部品調達網の影響を受けやすい体質が露呈した。

   日産自動車も9日、2022年3月期の世界販売見通しを従来の440万台から60万台引き下げ、380万台にすると発表。半導体不足や東南アジアの部品調達難で大幅な減産を強いられているためで、売上高予想も大幅に下方修正した。

   最終利益予想は、減産による新車の供給不足で逆に北米などの販売奨励金を抑制できることから、当初の600億円から1800億円に引き上げたが、水準は依然として低い。

   トヨタ幹部が「実質下方修正」と言い放ったのも、他社と比べても、地力への自信を踏まえた余裕の発言ということだろう。自動車需要は世界的に高まっており、人気車種を出せば売れる状態。期末までに挽回する生産台数次第で、トヨタの真の実力が示される。(ジャーナリスト 済田経夫)

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