今週(2021年11月1日週)のビットコイン相場は、1BTC=690万円弱から大きく上昇して、一時720万の高値をつけたが、その後は乱高下した。11月7日には700万円ほどで推移した。
そんなビットコインを保有する北海道大学の渡部真人さんは、「金融緩和策の正常化に向けた動きは、仮想通貨市場にどのような影響を及ぼすのだろうか」と気にする。そうした中で、右肩上がりを見せるポルカドットが気になるようすだ。
明治大学のakiさんは、保有するリップルを売却。プラスを確保した。慶応義塾大学の1028さんはお休み。
堅実な上昇相場? テーパリングの影響は(北海道大学 渡部真人さん)
上図のとおり、先週から56円のプラスとなった。11月1日週のビットコインの相場は、690万円弱からスタート。11月2日に大きく上昇して720万の高値をつけたが、乱高下するものの下落傾向にあり、6日に686万円まで下がって、その後に伸びたという流れであった。7日18時点で700万円ほど。先週の値動きから大きくは変わっていないとの印象を持っている。
しかし、他の仮想通貨ではこの1週間で明暗を分けた。リップル、イーサリアム、ポルカドットはこの1週間で堅実に伸びた。先週の落ち分からの反発という面もあるが、イーサリアムは1か月、1年単位でみても500円を突破したのは11月で初めてだ。10月28日に完了した2.0のアップデートの影響だろうか。ポルカドットは11月に入って6000円台を達成。10月に大きく下げてから着実に伸びている。他にはモナコインが伸びた。
反対に下がったのは、バット、ステラルーメンだ。バットのチャートを見ればわかるが、10月後半に急騰した分、下落傾向で乱高下している。1年単位でみれば上昇傾向にあるが、先行きはまだわからない。同様のチャート模様はリスクにも見て取れる。390~420円間を乱高下する様は、まるで多感な時期を迎えた思春期の高校生のようだ。リスクは青春真っ只中なのだろうか。正直、購入意欲は失せる。
相場は全体的に落ち着いている印象。ビットコインが今一つだが、イーサリアムやポルカドットは右肩上がりを続け、それが投機的な急騰でもないことには少なからず安心感がある。私はどちらも持っていないのだが......。
ちなみに、現在の投機マネーが向かっている先は仮想通貨ではなく、テスラだと思っている。
さて、直近の話題といえばFRB(米連邦準備制度理事会)によるテーパリング(量的緩和の縮小)の影響が挙がるだろう。金融緩和策の正常化に向けた動きは、仮想通貨市場にどのような影響を及ぼすのだろうか。11月5日の米ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、10月の雇用統計と景気回復期待、さらに金融緩和政策の継続という見方から、反発し最高値をつけた。米債券は1.42%と大きく下げ株式へマネーが移っている。
その裏でFRBの保有資産高は1年半で4兆ドルから8兆ドルへと膨張している。ワクチン接種も進み、経済正常化が進む現在では妥当な判断だといえる。ただ、テーパリングは金融引締めではないため、今後のFRBが供給するマネーが減ることになるだけだ。
蛇口から出る水の量は減るが、すでに溜まった水は流さない考えの模様。すなわち、本当に注視すべきなのは利上げのタイミングになるのだが、短期的にいえば仮想通貨は当分、全体的な上昇を予想。ありふれたマネーは仮想通貨に向かう。
長期的には、利上げ時期によっては大きく下がることもありえる。ドルの価値が上がるからだ。次の1週間に注目!
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
軟調なバット(BAT)でしたが、9日にビッグニュースが飛び出しました。秒間5万ドルの処理速度を誇るソラナ(SOL)のネットワークを機能として統合することが発表されました。2022年前半に、Braveのデスクトップとモバイルのブラウザに、ソラナ・ブロックチェーンのウォレット機能を搭載するとのことです。これを受けて、BATは一時30%以上急騰しました。Braveは、これまでにもイーサリアムとバイナンス・スマート・チェーンをサポートしており、今後も様々なブロックチェーンを追加していく計画だそうです。
前週からの損益 プラス56円
11月5日現在 3733円
リップルを売却! プラス積み上げ(明治大学 akiさん)
寒さが深まり、外へ出るのがつらい季節が近づいてきていますが、暗号通貨相場は昼夜変わらず動いていますね。
今週(11月1日週)と先週のニュースで、興味を持ったニュースをまとめて紹介します。まず、ディズニーのNFTシリーズが発表されました。これはNFT企業VeVeとのコラボレーションによって実現。ディズニーのキャラクターなど、抽象的なアイテムをモチーフにしたNFTが発売されます。
今回、ディズニーがNFT発行は「ディズニープラス・デイ」がきっかけです。ディズニープラスとは、ディズニー公式動画配信サービスで、このサービスの提供開始を祝う11月12日に発売される予定です。これまで対面でグッズ販売を行うイメージが強かったですが、仮想空間でもディズニーグッズが販売されるとなると、対面以上にグッズの争奪戦になるのではないかと思います。
ただ、今回のディズニーNFTは日本で利用することができません。対象となるのは、米国とカナダ、英国、ドイツ、オーストラリア、オランダ、スペイン、メキシコ、シンガポールのディズニープラス加入者のみになります。日本のディズニープラス加入者が参加できるころには仮想世界の土地が販売されていそうですね。
また、米マクドナルドも似たNFTをリリースしました。米マクドナルドは、人気限定メニューのマックリブの登場40周年を記念した限定NFTを配布すると発表しました。当初は米カンザス州地域限定メニューでしたが、映画のキャンペーンなどを通して国際デビューした後はドイツやフランスでも人気を博しました。
米国のマクドナルドがNFTを発行するのは今回が初めてですが、2021年3月には米ファストフード業界としてタコベルが独自NFTを発売して注目を集めていました。
どちらも、有名な会社が独自のNFTを発行するというニュースですが、私でも知っているような大きな会社が暗号資産に注目しているという表れだと思います。そのうち、ハンバーガーを仮想世界で売られ始めるかもしれません。
◆ 今週の収支
総資産は1万1851円。リップルを売却したため、187円のプラス。これで手持ちはすべて日本円になりました。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
もはや大手がNFTに参入してきても驚かなくなりました。9月でNFTの過熱が一旦天井を付け、なんでも高額で売買される時期は終わりつつあるのではないでしょうか。それはまさに、2018年1月に仮想通貨が急騰した後に、その熱が一気に冷めていったことに近いように思えます。
そのNFT(非代替性トークン)が本当に好きで買った人であればともなく、「なぜよく分からない岩や落書きのような絵を買ったのか」というコメントがSNSでは散見されており、芸能人のNFTもあまり売れていない様子です。こういった熱狂が過ぎてから、まともな取引が行われる日が来るには、数年ほどの時間を要するのではないでしょうか。
11月5日現在 1万1851円
◆ 多忙のため、取引をお休みしました(慶応義塾大学 1028さん)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月5日現在 1万7円
◆ 大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトルのルール学生投資連合USIC
・元本は1万円です。
・投資する暗号通貨の選定は自由です。ただし、国内で購入できる暗号通貨に限ります。
・レバレッジは、かけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)します。
・元本割れは1回まで。リベンジ(再投資)可能ですが、2度、資産(合計で2万円分)を失った場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/