ギリギリ難局を乗り越えた!(一橋大学 ボンゴレさん)
今週(11月1日週)は、原油価格が大きく変動しました。要因はいくつかあります。
まず、週間原油在庫統計の結果が市場予想以上の水準であったことから、売りが先行しWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)が下落しました。ここ数週間メキシコペソの買いポジションを保有しながら待っていたOPEC(石油輸出国機構)プラスの閣僚級会合では、従来の協調減産の縮小が維持され、追加増産は見送られました。この結果を受けて需給ひっ迫懸念から買いが先行し、原油先物価格は上昇しました。
アメリカの雇用統計の結果が雇用者数の増加など景気回復期待を強めるものであったことや、米国金利が下がったことを背景に、原油を含むリスク資産が買われたことも価格が上昇に転じた背景だと思われます。
メキシコペソにとっては、原油価格の上昇がプラスに働いただけでなく、米国金利が低下したことも、メキシコペソ高に転じる要因であったと考えられます。
週初めに持っていた買いポジションは1メキシコペソ=5.59円と5.63円でした。それに加えて、メキシコペソ円が少なくとも1メキシコペソ=5.6円台まで回復すると見込んで実施していた5.5円、5.45円で買いの指値注文は週前半に約定されました。
先週予想していたように、5.6円台まで上がることはありませんでしたが、5.5円台後半まで上昇して安心しています。一時期は下落のために証拠金維持率が低下して損切りをしなければと考えていたのですが、迷っている間に上昇に転じ、ありがたいことにギリギリ難局を乗り越え、ポジションを保有し続けることができました。
ただ、今後もこのようなことがあると怖いので、5.5円での買いポジションは1メキシコペソ=5.55円で売り、1万円の決済益を得ました。それ以外のポジションは1メキシコペソ=5.65円で指値注文をしています。
今週の結果は1万円です(週の途中で使用しているデモトレードサイトの期限が切れ、スワップポイントは計上できませんでした)。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
メキシコペソは、往って来いとなりました。米国の引き締め姿勢が強まると中南米通貨全般への大きな売り材料という見方が広がり下落。しかし、OPEC(石油輸出国機構)プラスを通過し原油が上昇、さらにブラジルをはじめ主要な中南米株式市場の買い戻しなどがリスク警戒後退となり、ペソにもプラスに働いたようです。
11日に開催されたメキシコ中銀政策金利では、市場予想どおりの利上げを実施し4会合連続となりました。サプライズはないものの、世界的なインフレが続く限り利上げは継続していくと考えられます。
11月5日現在 157万7985円
神奈川県出身。