11月に入りFX大学対抗戦も残すところ、あとわずか。最近は順調に利益を伸ばしている北海道大学の上田晃史さんは、今週(2021年11月1日週)も大幅プラス。チャートをにらんだ「テクニカル的手法で需給を見て決めた」という。ガッチリ! 首位を固めた。
明治大学の佐野快斗さんはプラスを確保したものの、米ドルの勝ちを英ポンドで減らして、いま一つ晴れない。専修大学のめがねちゃんさんは、ユーロ円の短期トレードを1回のみ。「1回はさすがに取引回数が少ない」と感じているようだが、「なかなかエントリータイミング難しいです」と首をかしげる。
慶応義塾大学のトリオネアさんは、多忙のために取引はお休み。
利益とともに「大きな収穫」を得た(北海道大学 上田晃史さん)
◆振り返り(11月1日~6日)11月1日週の取引結果は、上記のとおりとなりました。
結果をまとめると、プラス6万4000円の利益が出て最終残高は158万2557円となりました。ここのところ大きな負けなく順調に利益を伸ばすことができています。
基本的なエントリーのスタンスとしてはRSI(買われすぎか、売られすぎかを判断する「相対力指数」のこと)やMACD(マックディー=移動平均線を応用したテクニカルチャート)をとった指標を用いたテクニカル的手法で需給を見て決めました。このトレードでポジションを取って、ボリンジャーバンドという指標で決済タイミングを決めていることが多かったです。
このことは自分のトレードの思考をシステム化してみたいな?と思って客観的に考えていたら気づきました。もっとボリンジャーバンドに頼っていたイメージでトレードをしていたつもりなのですが、私の場合RSIが1.5割、MACDが4割、ボリンジャーバンドが4.5割ぐらいで意思決定をしていました。
いつの日か自分が思う期待値を生むタイミングでトレードしてくれるシステムをつくってみたいと思っていますので、このことに気づけただけでも、今週は大きな収穫がありました。
個別の取引ですが、前回同様OCO-IFDを用いた取引を心がけました。とはいえ、ポジションを取った後で、自分の予想と違った場合はその場で決済をしているため、成り行きでの決済も多くなりがちでした。
マイナス7000円となった取引では、これは上がるだろうと思ってポジションを取ったのですが、しばらくヨコヨコになってしまったので、すぐに損切りを実行しました。一般にヨコヨコチャートが長く続けば続くほど、動きだした時のボラティリティが大きくなるといわれているので、(もちろん爆益を狙える可能性はありますが)損切りで正しかったと考えます。
最後に、私が主としてトレードをしているポンド円に大きな動きが11月4日(木)にありました。結論を言うと、大きく円高方向に動いたわけですが、ポジションを持たず観戦していたので痛手を負うことも、利益を得ることもありませんでした。しかし、なぜ取り上げたかというと、今後のポンド円の動きに大きく関わってきそうだからです。
細かいところは省きますが、11月4日21時に英国のイングランド銀行が政策金利等の指標を発表しました。この発表と共に、英国政府がインフレを抑えるため利上げを行い、引き締めに向かうだろうと市場は考えていたのですが、予想が外れイギリスはまだしばらくは金融緩和を行うことになりました。
こうしたわけで一気にポンドが売られて、ポンド円はたった1日で3円以上も円高方向に動くことになったのです。一気に円高優勢になってしまいましたので、上値が重いことを理解して売りポジションを多く取ったトレードをしていくことになりそうです。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
テクニカル指標を組み合わせた売買ロジックであれば、インヴァスト証券などの国内FX会社で自作することが可能です。そのため、バックテストも兼ねてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ちなみに、ある期間で大きなパフォーマンスを挙げた売買ロジックは、その後の相場では大きく利益を吐き出すということになりやすい傾向にあります。そのため、相場ごとに使うテクニカル指標や組み合わせも替えていく必要があります。なお、ボリンジャーバンドはレンジでもトレンドでも比較的使いやすいテクニカル指標であるため、組み合わせの核として良いのではないでしょうか。
前週からの損益 プラス6万4000円
11月5日現在 158万2557円
大阪府出身。
米ドルで勝ち、ポンドで負け......(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週の相場(11月1日~5日)
1日 米国ISM製造業景況指数
2日 RBA政策金利、RBNZ政策金利
3日 ISM非製造業景況指数、FOMC政策金利
4日 BOE政策金利
5日 米国雇用統計
さまざまな指標などの発表があったものの、円安傾向は続行。ドル円は113.500円~114.000円で推移しており、1週間にわたるトレンドは特になかった。
ユーロ円は132円のラインで横に動いていたものの、週末にかけて大きく下落し、4日23時ごろには1ユーロ=131.000円付近まで下がることとなった。ポンド円に関しては4日時点で156.000円であったのがその後一転して急落、5日には153円台まで下落した。
主要国の経済指標が出尽くし、またイギリスの利上げ見送り、米国のテーパリング(量的緩和の縮小)決定など円売りの動きを止めるような発表が多く、先々週までから一転してポンド円などの大幅な下落が目立った。
ISM製造業景況指数:Bloombergによれば10月の米国ISM製造業景況指数は60.8と下落、需要が大きくなる一方で長引いているコモディティの高騰およびサプライチェーンの阻害が問題となった。サプライズではないため、チャートに大きな変化はなかった。
RBA政策金利:REUTERSによれば、オーストラリア準備銀行は政策金利を0.10%で据え置き、長期間の低金利維持を示唆した。債権買い入れの量も据え置いたものの、ワクチン接種率の増加・雇用の堅調から中銀はより速い速度での経済回復を期待している。12時からの1時間足では始値85.710円終値85.510円と瞬間的には動かなかったものの、2日夜には84円台まで下落した。
FOMC政策金利:三井住友DSアセットマネジメントのレポートによれば、FRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利を0.00~0.25%に据え置き、経済回復を理由にテーパリングを決定した。パウエル議長は2022年半ばにテーパリングを終了するとしたが、利上げ時期については細かく言及しなかった。チャートでは最高値114.220円の実体が小さい陽線を付けたが、その後も113.500~114.000のレンジ範囲内に収っている。
◆ 今週のトレード
米ドル円:レンジ範囲内であったためFOMC発表前に1ドル=113.500でロング(買い)エントリー、113.900で決済した。プラス2万円。
ポンド円:156円ラインで支持線があったため、1ポンド=156円でロング(買い)エントリーするも損切り。マイナス1万円。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
利上げはいつか? という問いに関して、FRB(米連邦準備制度理事会)要人の発言をチェックしておきましょう。
クラリダ副議長 「2022年末までに利上げの条件が満たされる」2022年末には米国は利上げに踏み切る公算となっており、ここまでは金利と米ドルは上昇しやすいと考えられます。テーパリング(量的緩和の縮小)が2022年6月に終了となるために、最短では9月のFOMCでの利上げ発表の可能性がありそうです。
ブラード総裁「2022年末までに2回の利上げを見込む」
さて、直近大きく相場が動きそうなイベントとしてはFRB議長のパウエル氏の再任です。次期議長はブレイナード理事が最有力候補となっており、よりハト派であり金融規制に厳しい視点であることから、すでにドルが売られる動きがみられています。なお、11月4日時点での賭けサイトの様子では、パウエル氏の再任が80%超、ブレイナード氏の指名は10%未満とパウエル氏が再任されることが見込まれています。
前週からの損益 プラス1万円
11月5日現在 131万5648円
たった1回のトレードだけど、ガッチリ!(専修大学 めがねちゃん)
こんにちは、めがねちゃんです!
今週(11月1日週)は短期トレード1回のみでした。短期であれ、長期であれ、トレード1回はさすがに取引回数が少ないように感じます。増やしたいけど、なかなかエントリータイミング難しいですよね。
FX大学対抗戦も期間が残り少ないので、自分の入れるタイミングで臆することなく入っていきたいです。
今週はEUR/JPY(ユーロ円)を取引しました。取引回数が少ないことと、短期トレードは値幅が少ないので、大きく賭けることにしました。いまだに大きく賭けることが良いことなのかどうかわかりませんが、そこらへんは様子を見て、損失額を調節していきたいと思います。
エントリー根拠は1時間足のレジサポラインをブレイクして戻りをつけたタイミングでエントリーしました。プラス30pips(プラス6万円)です。先週に大きい金額かけるのが怖いという話をしましたが、許容できる分のリスクをとって、その分のリターンにすることにしました。ただ、今回はレジサポラインリバが根拠だったので、損切の位置に迷いました。
また、今週イギリスのGBPがとても下がりました。インターネットで調べてもわからなかったのですが、何があったのでしょうか?
あまりにも知識がなく、こういった場面で取れずに悔しいです。きちんとこういった場面でも対応できるようにしたいです。
獲得利益は30pips(プラス6万円)で、合計金額は157万485円です。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
ポンド(GBP)の下落に関して、解説しますね。今回の金融政策決定会合の前に、ベイリー総裁がインフレに対して利上げを推し進めることを匂わす発言をしていました。それを受けて、市場参加者は「利上げはなくても資産買い入れを大幅に縮小するのではないか」と期待しポンドを買っていたようです。しかし、蓋を開けてみると利上げはもちろん、金融緩和も継続となりポンドは大きく売られることとなりました。
なお、ベイリー総裁は8日に物価上昇観測が賃金上昇につながっていると判断されれば、中銀は対応すると、利上げ姿勢を見せています。
前週からの損益 プラス6万円
11月5日現在 157万485円
私用が重なったため、ほとんど取引できませんでした。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月5日現在 132万7907円
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール学生投資連合USIC
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/