歯止めかからぬ円安・資源高! 追い風の「三井松島HD」の次の一手? 〈その2〉(慶応義塾大学 八田潤一郎さん)【企業分析バトル】

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

「脱炭素」と三井松島HD

   今回の問題の発端ともなった脱炭素をどう捉えるだろうか。環境問題への対応という側面と同時に、安全保障に依存しないエネルギー源確保という意味でも意義がある。他方で、脱炭素は補助金ありきの構造、再エネ関連製品・設備シェアは中国に大きく依存、再エネ賦課金やエネルギー価格高騰化は国民全員で負担している側面もある。

   再エネの一層の加速には、ベースロード電源の確保が優先される。原発再稼働するのか、どれくらい火力発電を残存させるのか(日本の火力発電は世界最高水準の発電効率で活用の余地は大きい)など課題は山積みだ。

   エネルギーは戦争の発端となるほど極めてセンシティブな問題にもかかわらず、今回の資源高+通貨安という逆資源国としての脆弱性が如実に表れた。

   配当・優待の妙味、脱炭素への期待はあるものの、エネルギー危機のさなかでは、石炭市況と事業拡大・再編を見極めるため、三井松島HDの株式購入は様子見とした。

三井松島HD(1518)
年初来高値(2021年10月18日) 1785円
年初来安値(2021年 1月 4日) 700円
直近の株価(2021年11月 8日) 1389円
株式購入は見送り

八田 潤一郎 (はった じゅんいちろう)
慶應義塾大学 八田 潤一郎 (はった じゅんいちろう)
慶応義塾大学法学部政治学科2年。学生投資連合USIC代表。
小学生の時に株式投資を始め、アベノミクス相場で大きく資産を増やすも、2015、16年のチャイナショック、18、19年の米中貿易摩擦を経て、機関投資家や地合いの影響を比較的受けにくいニッチな小型銘柄の長期投資にシフト。20年のコロナショックで分散投資とリスクヘッジの重要性を認識し、FX、不動産、暗号通貨、コモディティ、デリバティブを新たに運用しながら、毎日勉強中。金融を学ぶ「おもしろさ」、投資の「楽しさ」を多くの人に知ってほしいと願う。
◆企業分析バトル カブ大学対抗戦のルール
・月額200万円を投資金額の上限とするバーチャル投資です。
・投資対象は新興市場を含む、国内の上場企業の現物取引です。
・運用期限は最長で6か月。銘柄選定の最終月は10月になります。
・順位は11月末時点で、投資した銘柄(企業)の売買や配当で得た収益の騰落率で決めます。
学生投資連合USIC

「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/

姉妹サイト