ペットボトルの再利用は消費者の協力なしにはできない!
――リサイクル、SDGs、サステナブル、循環型社会をどのように伝えていきますか。
佐藤さん「リサイクルはSDGs、サステナブル、循環型社会につながっていきます。大切なことは『小さな一歩かもしれないが、それが大きな効果につながる』ことを理解してもらうことです。特に小学生には、言葉使い一つひとつだけでなく、『どれだけイメージしてもらうか』が重要になります。そのために小学校での啓発活動などではビンゴなどのゲームを取り入れるなど、さまざまな工夫をしています。
そして、子供たちに行動してもらうためには、家でのペットボトルの分別などで保護者の理解や協力が不可欠であると思っています」
――回収がままならないとペットボトルリサイクルは始まらないですよね。
佐藤さん「ペットボトルのリサイクルは消費者の協力なしにはできません。国や自治体、社会全体や消費者の協働が必要です。しかし、キャップとラベルをはがすなどペットボトルの分別はリサイクルに大きく影響します。ご家庭ではしっかり分別されていても、自販機横や施設、公園、路上など野外のリサイクルボックスでは、ペットボトル内に飲み残しや、タバコなどの異物が入っていたり、そもそも分別されていなかったりというのが課題になっています。日本の消費者は海外と比べても意識が高いので、さらに広く深く根付いていけるように当社としても啓発活動をより注力していきたいと思います」
――ペットボトルはこれからも使われ続いていくのでしょうか。
佐藤さん「飲料の容器素材には、ペットボトル以前から、瓶、缶、紙が使用されてきています。これは中身の飲料の特性や品質に応じて一番よい組み合わせとなる容器素材が選択されているのです。それは、お客様の使い勝手や飲まれる際の飲料品質を確保できるものを効率的に提供していくという意味で、課題というよりは『より良いものは何なのか』というベーシックな話だと思います。
現在、ペットボトルに代わる容器は、なかなか見つかっていないというのが正直なところです。それもあって、今後もペットボトルは使用されていくでしょう。ペットボトルの存在も、『ゴミではなく資源として社会で循環されていく』ものになっていくのだと思います。ペットボトルは『ゴミではなく資源』であることを伝えていければと思います」
(聞き手 牛田肇)