コロナ禍も落ち着きはじめ、再び出社するようになると、仕事ぶりを周囲から評価されるようになります。
取材した広告代理店勤務のDさんは1年半以上も会社に出社していなかったとのこと。混雑した電車や夜の繁華街の賑わいが新鮮であり、一方で1日の出社でぐったりするくらいに疲れを感じたようです。
ある意味で「リハビリ期間」が必要かもしれないと、笑って話してくれました。前向きな環境の変化ながら、戸惑いを感じているようです。
「ちょっといいかな」はストレスかも!?
コロナ禍の拡大で日本全国の勤務形態が在宅ワークになった時期が長く続きました。会社の就業規則は9時から17時まで所定のオフィスに勤務することになっている。その規則を変更する時間もないままに、出社できない時間が過ぎていきました。
当然ながら、バタバタと在宅勤務での仕事がスタートしていったわけですが、時間が経過していくと人は環境に適応していきます。会議も商談もリモートで対応することが当たり前になってきました。
2020~21年に新卒入社された社員などは出社したことが皆無で、出社型になったら戸惑う気がすると話している声も聞くくらいに、働き方は在宅型に慣れてしまったかもしれません。
当然ながら在宅型の働き方にもメリットもあります。たとえば、周囲と関わりながら仕事する時間がなくなったことで、「マイペース」に仕事を進められた人が多いと聞きます。同じオフィスにいれば「ちょっといいかな」と声がかかる。周囲の目も気にしなければいけない。すでに出社がはじまった人からはストレスを感じる、仕事の進め方に戸惑いを感じているなどの声も聞きます。
モノ言う「状況判断力」
それだけ、長期間にわたるリモートワークしていた人にとっては状況が大きく変わることになるのでしょう。そこで、改めて、周囲から仕事ぶりを高く評価されるためポイントを思い出してみましょう。
ちなみに、周囲から高く評価される人(とくに若手)には二つの特徴があります。一つめは任された仕事を期待以上に仕上げる。二つめは言われる前に主体的な行動ができる...ことです。
いずれも的確な行動をするための状況判断力の高さが求められます。対面する上司や先輩の表情や職場の雰囲気などを加味して「どのように行動すべきか」を考えることで、的確な行動の道筋がみえてくるのではないかと思います。
パソコンに向き合うだけでなく、職場を見渡したり、同僚とカジュアルな会話をすることで、忘れていたかもしれない感覚がよみがえってくると思います。
あるいは前述した新卒組は出社型が未体験なので、慣れるではなく覚える必要があります。会社として会議や対話機会で大事な作法や基本行動をしっかり指導する時間を取る。そのうえで、戸惑う状況がみえたらサポートしていく姿勢が必要ではないでしょうか。
いずれにしても、コロナ禍で大きく働き方が変化したことを踏まえて、アフターコロナの働き方を再整備していきましょう。(高城幸司)