「ええっ!う、うんこでお金の話をするとは!」
オカタイ役所の代表格である財務省と金融庁が、そろいもそろって子ども向けの税金と金融の話を、「うんこ」にひっかける快挙? に出た!
小学生に圧倒的に人気がある学習参考書「うんこドリル」とコラボして、それぞれ「うんこ税金ドリル」と「うんこお金ドリル」を制作。インターネットで公開した。
いったい、どういう風の吹き回しか。いや、ニオイが風に吹かれてこなければよいのだが......。
知らないうちに払っている税金ってなに?
学習書出版の文響社(東京都港区)の「うんこドリル」シリーズは、累計890万部を突破する小学校低学年向けの参考書だ。漢字や算数など学習ドリルのすべての例文に「うんこ」を入れるという奇想天外なアイデアで、子どもたちの大人気になった。
2017年3月に第1弾の「うんこ漢字ドリル」を発売以来、英語や社会などにも教科を広げ、現在ではシリーズ累計890万部を突破し、すっかり子ども向け学習ドリルの定番になった。
「うんこ先生」が「うんこ学園」で「うんこねこ」たちに、難しいことを面白く、わかりやすく伝えるスタイルが親しまれて、自治体や官公庁とのタイアップも展開している。
2021年11月5日、「うんこドリル」と財務省主税局がコラボして、「税金について楽しく学べる『うんこ税金ドリル』」の冊子版とWEBアプリ版をインターネット上に公開した。
財務省主税局はホームページ上で、その狙いをこう語っている。
「『税金って何のためにあるのだろう』。小学生の皆さんが、税金について考えるきっかけにしてほしいと思い、『うんこ税金ドリル』をつくりました。楽しく税金について学び、家族や周りの方々と一緒に、これからの税金のあり方について関心をもってもらえれば幸いです」
「うんこ税金ドリル」の問題は全部で5問だ。うんこねこがおやつを買うシーンから始まり、税金について知っていく問題から入っていく。
【もんだい1】おやつを買ったとき、うんこねこが気づかずにはらっていた税金はなに?
A:消費税 B:ぶりぶり税
うんこ先生「いつも税金をはらってくれてありがとう! おかげで公園にりっぱなトイレができたぞい!」
うんこねこ「え? 税金ってなに? そんなのはらってないよ?」
正解はもちろん、Aの消費税だ。
問題はどれも子どもにとって身近な題材で税金について問いかけ、シンプルな2択形式と問いで、最後まで飽きずに取り組むことができる。
うんこと税金に共通するものって、なに?
そして、最終問題では子どもの税金に対する思考力を鍛える。2択形式ではなく「言葉」で答えるのだが、あなたはわかるだろうか?
【もんだい5】うんこと税金に共通するものは? (ヒント)どちらもなにかを育てる〇〇なのだ!=「もんだい5」参照
ところで、財務省よりひと足早く、今年3月18日に金融庁もWEBアプリの「うんこドリル」とコラボして、「うんこ税金ドリル」を、インターネット上に公開した=右の写真参照。
金融庁はホームページ上で、その狙いをこう語っている。
「金融庁では、金融経済教育の推進に取り組んでおり、大学・高校などでの出張授業を行っていますが、『もっと早く金融のことを学びたかった』という声を多くいただきます。そこで、子どもたちに訴求力の高い『うんこドリル』と連携し、お金について楽しく学べる、小学生向けコンテンツを作成しました」
こちらは「生活編」と「経済編」に分かれており、それぞれ財務省の「税金ドリル」よりレベルが高く、大人でも「なるほど!」と歯ごたえがある内容だ。たとえば、生活編にこんな問題がある(答えはいくつ選んでもよい)。
【生活編 もんだい4】友だちから「お金を貸して!」と言われた。どうすればいい?
A:すぐに貸してあげる B:事情をきいて、なっとくしたら貸してあげる C:代わりにウンコをあげる D:絶対に貸さない=「生活編 もんだい4」参照。
正解は、D:絶対に貸さない。理由は「お金の貸し借りは絶対いかんぞい。事情を聞くとついつい貸してあげたくなるかもしれんが、そこはがまんじゃ」
経済編ではビジネスの心得が説かれている。うんこねこがクッキーの店を開いたのだ。そこで問題だ。
クッキーを作り、たくさんの人に喜んでもらう方法は?
【経済編 もんだい4】オープン初日はクッキーが売れたのに、その後は全然売れなくなってしまった......。こんなとき、どうする?
A:クッキーの値段を高くする B:うんこ型のクッキーにする C:「今だけ! クッキーを買ったらうんこ1つをサービス!」と宣伝する D:クッキーがうれるまでうんこをがまんする=「経済編 もんだい4」参照。
正解はなんと、BとCなのだ。理由は「お客さんにほしいと思ってもらう工夫をするのじゃ」ということだった。
お金を増やすことの大切さも教えている。
【経済編 もんだい6】今、手元に1万円札がある。さあ、どうしよう?
A:おうちの人に相談する B:募金や寄付をする C:銀行に預ける D:その上にうんこする=「経済編 もんだい6」参照。
正解は、AとBとCだ。特にCの「銀行に預ける」では、「お金を増やす方法があるぞい!」として、大人になると応援したい会社や人にお金を出して、利益の一部(配当)をもらえる『投資』ができるぞい。くわしいことは、おうちの人と一緒に調べてみるのじゃ」とアドバイスしている。
ここにも最終問題があった。
【経済編 もんだい7】うんこ型クッキーを通じて、もっとたくさんの人に喜んでほしい。何ができる?
A:あたらしいうんこ型クッキーを考える B:お店で働く人を増やす C:「日本で大人気!」と海外でも売る D:売り上げの一部を寄付する=「経済編 もんだい7」参照。
正解は、あなたが考えてみてはいかが?
(福田和郎)