東証、「4度目の正直」の取引時間延長 株式市場復権へ「たかが30分、されど30分」

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伸びる世界の株式市場、取り残される東証

   やっとここまでたどり着いたが、それでも海外主要市場の取引時間に及ばない。東証の取引時間は11時半から1時間の昼食をはさみ、現在5時間。これに対して、米ニューヨーク(NY)市場やナスダック市場は6時間半、ロンドンは8時間半。アジアでもシンガポールが7時間と、東証の短さが際立つ。5時間半の香港にはようやく追いつくことになる。

   取引時間だけが原因ではないが、上場企業の時価総額を2011年と20年を比べると、NYが11.7兆ドルから21.6兆ドル、ナスダックが3.8兆ドルから19.1兆ドル、中国・上海が2.3兆ドルから6.9兆ドル、香港が2.2兆ドルから6.1兆ドルと、それぞれ大きく伸ばしている。

   東証も3.3兆ドルから6.7兆ドルへの倍増はしているが、NYやナスダックに差を開かれ、上海に逆転されている。

   そこで30分延長して、どれだけの市場活性化の効果があるだろう。

「時間を延長するだけでは限界がある。海外から投資したくなるような日本企業が増やさなければ」

   と、証券業界関係者は口をそろえる。

   東証は、22年4月から現在の市場第1部、2部などの区分を組み換え、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編する。なかでも、プライムは上場を維持する基準が厳しくなり、上場企業は自社の価値を向上させるため一段の努力が求められる。

   政府が旗を振る成長戦略、なかでもベンチャー企業育成、上場企業の情報開示など日本経済全体の底上げ、体質強化、市場の透明性向上などと組み合わさることが、市場活性化の王道なのは疑いない。

   取引時間も、その一助たり得る。たかが30分、されど30分。それが日本の株式市場復権のきっかけになるか、注視していかなければならない。(ジャーナリスト 白井俊郎)

   

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