東京外国為替市場 リスク選好のドル買いは後退した?
ドル・円予想レンジ:1ドル=113円00銭~115円00銭
2021年11月5日(金)終値 113円40銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが底堅い展開か。
前週のドル円相場は、ドルが弱含みとなった。米経済指標が市場予想を下回ったこと、加えてFOMC(米連邦公開市場委員会)で量的緩和の縮小が決まったものの、早期利上げに対しては慎重姿勢だったこと、米長期金利が低下したことで、リスク選好のドル買いが後退した。
今週のドル円相場は、ドルが底堅い展開となりそうだ。米国の経済指標の結果次第では、再び、ドル高・円安の動きが加速しそうだ。米国の10月雇用統計が市場予想を上回ったが、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が早期利上げに慎重な姿勢を示したことで、リスク選好のドル買いは一服している。
しかし、米国のインフレ懸念は払拭されておらず、米経済指標が指標予想を上回る結果となれば、再び早期の利上げ観測が台頭するだろう。日本の経済状況を考えた場合、ドル高・円安へ進行する可能性が高く、米国の経済指標結果には注意が必要だ。
経済指標は、国内では8日に9月の景気動向指数、9日に10月の景気ウォッチャー調査、10日に10月の工作機械受注、11日に10月の企業物価指数、12日にオプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出などが予定されている。
海外では、8日に中国共産党中央委員会第6回全体会議(11日まで)、10日に中国の10月の消費者物価指数と生産者物価指数、米国の10月の消費者物価指数などが予定されている。
(鷲尾香一)