東京株式市場の日経平均株価は、自民党が衆院選で議席を減らしたとはいえ、単独過半数を維持したこと、また米国株の上昇という後押しもあって大きく上昇。3万円台が見えてきた。
ただ、その一方で米国の経済指標によっては、早期の利上げ観測が再び強まる可能性があり、現在落ち着いている円安の動きが活発化する懸念がある。米国経済の動向には要注意。さて、どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 企業の決算発表、ピーク迎える
日経平均株価予想レンジ:2万9000円~3万円
2021年11月5日(金) 終値 2万9611円57銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、3万円乗せを試す展開か。
前週の日経平均株価は、大幅上昇した。10月31日の衆議院議員選挙で自民党が単独過半数を獲得したことを好感した。加えて、米国株の上昇が相場の下支え要因となった。
今週の日経平均株価は、3万円乗せを試す展開となりそうだ。ただ、一時的に3万円台に乗せても、上値は重いだろう。
衆議院選での自民党単独過半数獲得を好感した買いも、一過性のものであり、今のところ岸田政権の政策には、大型経済対策といった相場を押し上げるものはない。下支え要因となっている米国株の上昇は、米国の量的緩和の縮小(テーパリング)が決定したものの、早期利上げ観測が後退しているためだ。
しかし、10月の米国雇用統計は市場予想を上回り、再び、早期利上げ観測が強まる可能性がある。落ち着いている円安の動きが活発化する可能性もあるので、米国の経済指標の結果は要注目。
国内では、企業の決算発表がピークを迎えることから、基本的には個別物色の動きが中心となる。米国企業に比べて、日本企業の業績回復は遅れている。再び、円安の動きが強まれば、先行きに暗雲が漂う。また、日経平均株価は3万円に近づけは、利益確定の売りが強まり、上値は重い展開となるだろう。