テレワーク導入で残業時間半減、保険契約高で過去最高を更新した大同生命保険の場合【テレワークに役立つ一冊】

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佐賀県庁でも効果

   民間よりもテレワーク導入が遅れている官公庁でも導入が進んでいる。地方自治体では、佐賀県の取り組みを取り上げている。県庁全職員約4000人が対象で、形態は在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィスがあり、「テレワークでどこでも県庁」を実現している。

   佐賀県では全国に先駆けて2008年から育児・介護を行う職員を対象に在宅勤務制度を導入していた。2013年からはテレワークを福利厚生ではなく経営戦略として推進した。

   その結果、持ち帰り対応回数は約49%減少、復命書作成時間は50%削減、直帰できる率は、ひと月あたり16%から28%と75%向上した。

   本書を読み、テレワーク導入の試みは、意外と早い時期からあったことを知った。そして、コロナ禍で現実的な課題として多くの企業が駆け込み的に導入したことを痛感した。NTTは今年9月、2022年度に社員の働き方はリモートワークを基本とし、自ら働く場所を選択できるようにすると発表した。転勤や単身赴任は不要となる新しい経営スタイルとして、注目されている。

   テレワークのメリットを経営者と社員の双方が知り、もう後戻りはできないと思うが、会社に通勤する従来の働き方がいいという人もいる。しばらくはテレワークの効果を検証する動きが強まるだろう。(渡辺淳悦)

   「テレワーク導入・運用の教科書」
一般社団法人日本テレワーク協会編、宇治則孝・今和泉千明・椎葉怜子・鈴木達郎・武田かおり・中島康之著
日本法令
2530円(税込)

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