「流通業界が大混乱する」と腰砕けの政府
トリガー条項の復活については、萩生田光一経済産業相は反対の考えを明言している。萩生田経産相は、10月27日の会見で、記者から「ガソリン価格高騰に対応するためトリガー条項を解除する考えはないのか」と聞かれて、こう答えた。
「トリガー条項が発動された場合、ガソリンの買い控えやその反動による流通の混乱や、国、地方の財政への多大な影響の問題がありますから、凍結解除は適当でないと考えております」
トリガー条項が発動しても、実際に税を免除してガソリン価格が低下するのは、数週間後になる。その間、消費者がガソリンを買うのを控えるから、流通業界に大混乱が起こるというのだ。
しかし、ネット上では期待する声が高まっている。ヤフコメではガソリンの高さに苦しむ声が殺到している。
「これを機に普通車を売りました。とてもじゃないけど、年間の自動車税、重量税、車検代金、任意保険... 無理です。軽自動車にして、ファミリーバイク特約の原付バイクで移動しています。とても、自動車大国ニッポンだとは思えないです」
「うち酒屋だけど配送が9割以上。ハイエース2台と軽バン2台体制で運用しています。月のガソリン代がえらいことになっていますよ。運送代も取らずにやってきましたが、このままじゃかなりキツイ。昔使っていた3輪バイクジャイロ50ccを整備して使うようにしましたが、積載量が足りないです」
「わが地方では、大きな川沿いに無料駐車場がある。同じ方向の会社、あるいは同じ会社に勤めている人たちが、週ごとに決めを作って、駐車場から乗り合わせて出勤している。かなりの駐車台数があるから、結構ガソリン代も減るのだろうな。工夫しているなあ」
「アメリカ在住ですが、日本のガソリン高いなー。アメリカもかなり上がったとはいえ、1ガロン3.3ドルくらい。1ドル=114円換算で1リットル99円。日本はアメリカより7割近く高い。日本の1人当たりGDP(国内総生産)はアメリカの6割ぐらいだから、収入に対するガソリン代の負担感は2.7倍くらいになるね。日本のガソリン税は異常。クルマを利用する人に罰金を科しているのと同じ」
(福田和郎)