米ドル円、方向性つかめず......(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週の相場(10月25日~29日)
今週発表の重要指標
27日 BOC(カナダ中央銀行)政策金利(カナダ)
28日 BOJ(日本銀行)政策金利(日本)
ECB(欧州中央銀行)政策金利(ヨーロッパ)
10月上旬から始まった円安相場はいまだ収まることはなく、米ドル円は1ドル=103.500から104.500円でレンジに入っている。上は104.500円、下は103.000円を割れば一気に動くことが予想されるものの、まだその兆候は見られない。とはいえ、11月4日には米国はFOMCを控え、早期テーパリング(量的緩和の縮小)も市場では考えられているため、慎重にポジションを取っていきたい。
27日、カナダ中央銀行は政策金利を0.25%で据え置いた。REUTERSによれば、同銀行は原材料の高騰と供給の問題から2022年はインフレが目標値を上回るとして、利上げを3か月早める可能性を示した。また、自国のワクチン接種率・雇用の堅調・経済回復を理由に債券の買い入れを終了すると発表し、インフレ率見通しを3.4%に引き上げた。
カナダドル円は、27日23時からの1時間足で最高値92.474円、最低値91.416円の長い陽線をつけ、発表前の下落を戻す形となった。その後は92.000円周辺を横に推移している。
日銀の政策金利発表はゼロ金利継続で特段サプライズはなく、チャートにも大きな変動はなかったが、28日夜には米ドル円が1ドル=103.500円を割ることになった。
ECB政策金利は0.00%で市場予想どおりの据え置きとなった。JETROビジネス短信によれば、ラガルド総裁は記者会見で現状インフレ率が目標値を超えているものの、期末には低下する可能性が高いとして、しばらくは政策金利を維持することを示した。また、債券・国債の買い入れプログラムも継続するとした。ユーロ円は28日21時からの1時間足で最高値132.268円、最低値131.538円の陽線を付けたものの、週末には元に戻る形となった。
◆ 今週のトレード
今週は、全体的にレンジに近い通貨ペアが多く、思うようにポジションが取れなかった。
米ドル円:1ドル=114.000円を上に割ったタイミングで5lotロング(買い)エントリーしたものの損切り。マイナス5000円。今週のドル円相場は、114円を少し超えたものの勢いはなく、方向性をつかむのが困難だった。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
米ドル円は1ドル=114円半ばが非常に重たい動きとなっています。衆院選で自民党が大きく議席数を減らしていれば、またはFOMC(米連邦公開市場委員会)で毎月150億ドルペースの資産買い入れを200億ドルに増加すれば突破していたかもしれません。Fed(米政策)金利先物をみると、むしろ後者を織り込みつつあったため、ドル円は『安定推移』となっているのでしょう。
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そして、輸出企業の売りが強いのか東京市場でとにかく上値が重くなる傾向があり、デイトレードに生かすチャンスではないでしょうか。
前週からの損益 マイナス5000円 10月29日現在 130 万5648円