「うがい会見」は過去のこと? 衆院選で海外が注目した「右派ポップスター」吉村洋文府知事(井津川倫子)

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   フタを開けてみたら自民党の単独過半数維持で終わった衆議院選挙。自民党は選挙前の276議席から若干議席を減らしたものの、単独で国会を安定的に運営できる「絶対安定多数」の261議席を確保しました。

   一方、野党第一党の立憲民主党が「野党共闘」の効果もむなしく苦戦を強いられたなか、国内外で注目を集めているのが日本維新の会です。とりわけ海外メディアが注目したのは、「right-wing 」(右派)「Twitter-friendly」(ツイッター使い)と評される「あの政治家」でした。

  • 海外メディアが注目!? 大阪府の吉村洋文知事(2019年撮影)
    海外メディアが注目!? 大阪府の吉村洋文知事(2019年撮影)
  • 海外メディアが注目!? 大阪府の吉村洋文知事(2019年撮影)

岸田政権ピンチ?!「維新の嵐」が大阪を一掃!

   2021年10月31日に行われた衆議院選挙では、自民党と立憲民主党がそれぞれ議席を減らすなか、日本維新の会が選挙前の約4倍にまで議席数を伸ばすという結果に終わりました。事前の予想をはるかに上回る維新の会の躍進ぶりには、海外メディアもかなり驚いたようです。

Rightwing populists sweep vote in Osaka
(右派のポピュリストが大阪の票を根こそぎさらった:英紙ガーディアン)
rightwing:右派、保守派
populist:大衆主義者、ポピュリスト
sweep:嵐が吹きまくる、焼き尽くす

Ishin nearly quadrupled its seats to 41 and become the third-largest group
日本維新の会が4倍近く議席を増やし、第三党になった:ブルームバーグ通信)
quadruple:4倍に増える

   「aweep」は、「箒などで掃く」という意味の動詞ですが、嵐が吹いて「一掃する」とか「場所を焼き尽くす」といった意味もあります。今回は、「維新の嵐が吹いて票を根こそぎさらった」というニュアンスが近いと思います。

   ガーディアンは、善戦が期待されていた立憲民主党が早々に立ち消える一方で、「a tiny local party」(小規模な地域政党)に過ぎなかった維新の会が、次から次へと議席を確保していったと伝えています。

   面白いのは、維新の会が「商人の町」として知られる大阪を、右派ポピュリズムの「citadel」(砦)にした、と評していることです。さらに議席を4倍近く増やした維新の躍進ぶりが、全体的に面白みに欠けた選挙で、「the most intriguing」(最も興味をそそる話題)だったと報じています。

   同紙は、岸田文雄首相が掲げる「分配」について反対の姿勢を表明している維新が勢力を増すことは、岸田政権にとって「anathema」(呪い)になるのではないかと報じています。当事者である私たちにとって、不安定な政権運営は避けて欲しいところですが、メディア的には「興味をそそる」展開なのでしょう。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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