眞子さまが行動で示した「企業変革」へのラストコール
確かに、そこには昭和大企業のおごりが見えるのです。
東芝が経済産業省を動かしてアクティビストの主張を退けようとしたのは、まさにそれですし、三菱電機が自社基準の検査を過信して法廷検査や発注主が義務づけた検査をしなかったのも、おごり以外のなにものでもありません。みずほ銀行が顧客サービスを二の次にして、社内の旧行バランス優先でのシステムベンダー選びを繰り返したことは、あまりに昭和の大企業的ではないでしょうか。
いつの世も、不祥事にはその企業の悪しき文化は透けて見えるわけですが、不祥事が表面化していない企業であっても社内で昭和的な常識がまかり通っていると感じるならば、いよいよ先行きが危ないと思うべき時に来ていると思います。
昭和の終焉から早33年。金融危機、リーマンショック、コロナ禍と、ほぼ10年おきにやってきた経済不況は、昭和企業たちにその都度、昭和文化から脱皮せよと鳴らした警鐘だったのではないかとすら思えます。
10年後を見渡せば、国が宣言するカーボンニュートラルへの本格対応が2030年であり、国連が明示したSDGs(持続可能な開発目標)の目標達成期限が2030年です。これらの課題に対して、「表面を繕えばなんとかなる」「適当に金を使って、取組姿勢だけ見せれば問題ない」といった昭和的な考え方が通用しないであろうことは、言わずもがなのことです。
「昭和」を知らない眞子さまは、ご結婚を前に30歳を迎えられました。この昭和にまったく染まっていない皇族が昭和の常識を打ち破る形式での結婚を挙行したことは、否定しようのない時代の変化を象徴する出来事であったと思うのです。このたびの眞子さんのご結婚こそが、昭和企業への変革のラストコールであると感じる次第です。(大関暁夫)