遠因か? 高校生が「お母さん食堂」の名称を批判
今回の見直しに「お母さん食堂」の名称への批判が作用した可能性があるとの見方もある。性的役割分担の固定化につながるとして、高校生がネットで署名活動を呼びかけ、約7300筆をファミマに提出した。インターネット上で論争になったほか、テレビのワイドショーでも取り上げられ、喧々諤々の論争が戦わされる騒ぎになった。
足立光マーケティング本部長は10月18日の会見で、「(ブランドの)刷新は以前から決まっており、署名活動自体は刷新の意思決定の要因になっていない」と関係を否定。「すべての性別、世代の皆さんに受け入れられるような名前やコンセプト、パッケージを含めて、十分な検討をした結果がファミマルになる」と述べた。
ただ、ブランドや商品の名称については、近年、消費者の目も厳しさを増している。ファミマは21年3月、PBの衣料品の女性向けの下着で「はだいろ」と表記でいたのが「不適切だった」として、店舗から回収した。白人、黒人など多様性への配慮に欠け、不適切ではないかと社員や加盟店から指摘する声が出たという。
多様性がキーワードになる時代、小売業は、こうした問題にも細心の注意が求められている。
(ジャーナリスト 済田経夫)