「ファミマ」ブランドの見直しは急務だった
ファミマは、セブン-イレブン・ジャパンの「セブンプレミアム」(2007年発売)、ローソンの「ローソンセレクト」(2010年発売)に遅れ、大手コンビニ3社では最後発のPBとして2012年に「ファミリーマートコレクション」を世に出した。その後、ファミコレの中から惣菜類を切り出して「お母さん食堂」を2017年に発売。「おふくろの味」をイメージし、家庭の食卓に出る比率が高いおかずをラインアップし、その後冷凍食品のおかずにも広げていた。
日用品では、2019年3月に無印良品の取り扱いを止め、ファミコレ商品を強化。ファッションデザイナーの落合宏理氏を起用してデザインにこだわるとともに、さらさらとした肌触りを重視したインナーシャツや靴下などを開発するなど、「コンビニ衣料は緊急時に買うもの」という印象の払しょくにも努めていた。
ただ、それぞれにいい商品の開発に努めても、全体としてのブランドのイメージアップは不十分だったようだ。消費者を対象にファミマが実施したアンケートで、ハンバーグについて、業界1位のセブンのPBとファミマのPBで「どちらが美味しいと思うか」と尋ねたところ、イメージでは9割近くがセブンの商品が美味しそうだと回答したという。実際に試食してもらった後の感想では「ファミマのほうが美味しい」との回答が過半数を占めたといい、イメージ戦略の見直しが必要と判断した。
特にセブンプレミアムはセブン-イレブンだけでなくセブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカドーでも展開するだけに、ブランド力は抜きん出ており、ファミマとして、ブランド戦略の見直しは急務だったということだ。
今回の刷新に合わせ、PB売上比率を、2024年度末までに現在の30%から35%以上に引き上げる目標も打ち出した。