費用はオンライン環境に整備に使った
就職活動のために支払った費用について、学生から寄せられた声には、
「今年度はオンラインでの選考が主流であったため、予想以上に交通費を抑えることができてよかったです」(九州沖縄、文系女子/総額 5万5000円)
「リモートでの面接や説明会が多かったため、交通費や外食費などは聞いていたほどはかからなかった。しかし、リモート面接を円滑に進めるための通信環境や設備を整えるのにはかなり費用をかけたため、交通費や外食費が浮いた分を使ったのではないかと感じています」(関東、文系男子/総額19万円)
「Uターン就職をしたので、交通費が多くかかった」(東北、文系女子/総額 19万9000円)「オンライン就活が主だったので、交通費が浮いて助かった。自粛期間に体型が変わったため、スーツを新調し直し、大金がかかった」(関東、文系女子/総額15万8700円)
「オンラインで就活が完結したのでお金はそれ以外かかっていない」(東北、理系男子/総額 2万3000円)
など、通信費用とパソコンや照明器具といったオンライン就活のための環境整備にお金がかかったようだ。
また、就職活動で大変だったことをすべて選んでもらい、コロナ前の2020年卒業の学生と比べると、1位が「エントリーシート」(60.5%)、2位「自己分析」(58.3%)、3位「就職情報の収集」(53.0%)と上位3項目は半数を超えており、かつそれぞれ2年前よりも増加したことがわかった。
「企業研究」「業界研究」など多くの項目で増加しており、コロナ前に就職活動をした学生よりも苦労の度合いが増しているようだ。
キャリタスリサーチは、なかでも「就職情報の収集」はここ3か年で約10ポイント(43.5% → 53.0%)増えており、大学や就職活動などがオンライン化したことで、情報収集が難しくなっている様子がうかがえる、としている。
就活生からは、
「オンラインでの集団面接はお互いに空気感がわからず苦労した」(理系男子)
「コロナ禍で友達にも会うことができず、孤独を感じながら就職活動に取り組んだことがつらかった。友達とオンラインで会話したり、大学の就職センターを利用したりすることでモチベーションを保った」(文系女子)
といった声があった。
なお、10月1日現在の内定率は88.4%で、前回調査(7月調査=80.1%)から3か月で 8.3 ポイント伸びた。ただ、前年同期実績(88.6%)はわずかに下回った。
就職活動を終えた学生は全体の85.7%。文系が理系を上回った。一方、就職先が決まっていない学生に今後の予定を聞くと、54.7%が「就職先が決まるまで就職活動を続ける」と回答。前年調査の58.7%より減少した。
調査は2022年3月に卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生を含む)を対象に、10月1日~7日に実施。1116人(文系男子347人、文系女子330人、理系男子308人、理系女子131人)が回答した。