高校の不登校生は近年減少している
一方、2020年度の高等学校における長期欠席者数は、前年度比4.8%増の8万527人だった。このうち不登校によるものは同14.1%減の4万3051人。コロナ禍の感染回避によるものは9382人となった。
高等学校での不登校生徒数は、近年減少を辿っている。19年度も前年度比5.0%の減少となっており、改善の兆しが見えている。生徒1000人当たりの不登校生徒数も、18年度16.3人から19年度15.8人、20年度は13.9人と減少した=表2参照。
ただ、高等学校は小・中学校と違って義務教育ではないため、不登校とともに中途退学者が発生する。2020年度の中途退学者数は前年度比18.5%減の3万4965人だった。中途退学も改善の兆しが見えており、中途退学者数は2019年度も前年度比11.8%減少している。
さて、小・中・高等学校の児童1000人当たりの不登校者数と、高等学校の中途退学率の都道府県別の上位5を見ると、ほとんど共通項が見つからない中で、比較的に地方県のほうが上位にランクする傾向が強い=表3参照。
前回と今回、2回にわたって「いじめ」と「不登校」の問題を取り上げた。この国の将来を担う子どもたちが、健やかに学校生活を送れることを願うばかりだ。(鷲尾香一)