「働く妊婦さんより、変わるべきは企業と社会のほうだ」
――研究結果を踏まえて、サービス業で働く女性たちや、ほかのリスクの高い女性たちが妊娠した場合、お腹の命を守るために、どのようなことに気を付けるべきでしょうか。また、特にサービス業の企業や職場はどのような改善策が必要だと考えていますか。
鈴木さん「妊娠中の女性の就業環境が改善されることを期待します。母親はお腹の中の子を守るために、自分がいる環境の中で、すでにできる限りの対策を行ってきているはずです。それでも職業によって死産リスクに差があった、と私たちは理解しています。
職種によっては、休憩や休暇がとりにくい場面があるようです。特に対人業務では自分のタイミングで休憩がとりにくいようですから、企業・社会側の支援策としては、作業の制限だけでなく、休憩・休暇の取りやすさも含めて、柔軟性のある対策ができたらよいと望んでいます」
――鈴木さんたちが、今回の研究結果について特に強調しておきたいことは何でしょうか?
鈴木さん「私たちの研究が、日本における死産リスクをさらに下げることに寄与できたら幸いです。研究結果を受けて変わるべきなのは、働く妊娠中の女性ではなく、企業や社会の側である、ということもお伝えできたらと思います」
(福田和郎)