かねてから婚約中だった秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんがついに結婚! 眞子さまは皇籍を離脱し、民間人の「小室眞子さん」となりました。
今後は、米ニューヨークで新しい生活をスタートする予定のお二人ですが、一連の儀式は行われず、皇室を離れる際の一時金も受け取らない「異例の結婚」に海外メディアも興味津々。会見で飛び出した、小室さんの「眞子さまを愛しております」発言も、さっそく英語に訳されて世界中に広がりました。果たして、海外の反応は?
プリンセスMakoは「ひっそり」結婚した
眞子さんと小室圭さんの結婚のニュースは、海外メディアでも速報扱いで紹介されています。伝統的な結婚の儀式は一切行われず、宮内庁の職員が自治体に婚姻届を提出しただけの「イレギュラーな結婚」。メディアの報道からもお祝いムードは感じられず、「ジミ婚」ぶりに注目が集まりました。
Japanese Princess Mako quietly married a commoner without traditional wedding celebrations(日本のプリンセス眞子は、伝統的な結婚の儀式もなく、ひっそりと民間人と結婚した:AP通信)
commoner:一般人、民間人
今回の報道では、「commoner」(一般人、民間人)という単語をよく目にしました。小室さんが一般人であること、そのために眞子さんが皇室を離脱したことが「ニュース」だと捉えられているようです。眞子さんが結婚のために数々の犠牲を払ったこともフォーカスされていました。
Japan's Princess Mako gave up royal status to marry(日本のプリンセス眞子は、結婚のために皇室の立場を捨てた:英BBC)
The marriage to Kei Komuro cost Mako her royal status
(小室圭氏との結婚のために、眞子さまは皇室の立場を犠牲にした:AP通信)
cost:犠牲にさせる、費用が高くつく
なかでも注目を集めているのは、やはり「お金」の話題です。眞子さんがご結婚に伴い支給される高額の一時金を辞退したことが衝撃的だったようで、ほとんどのメディアが「turned down a conventional US$1.35 million gift」(1億4000万円ほどの伝統的なギフトを辞退した)と伝えていました。
さらに共通していたのが、「The low-key wedding」というワードです。「low-key」は「地味な、控えめな、目立たない」という意味ですから、「The low-key wedding」とは、まさに「ジミ婚」そのもの。英国王室を離脱したハリー王子とメーガン妃のカップルも結婚式は豪華で華やかでしたから、「ロイヤルウエディング」を期待していた人々の目には、「お金もいらない、儀式もしない」プリンセスの決意は「異例」なものに映ったのでしょうか。
すべてを犠牲にして民間人との結婚と、海外での新生活を選んだ眞子さん。海外メディアの報道からは、お祝いムードよりも悲壮感が漂ってくるようです。
お二人の「ストレートな言葉」が話題に......
お二人の婚姻届が受理されて「小室眞子さん」となった眞子さんですが、小室さんと一緒に臨んだ記者会見にも注目が集まりました。それにしても、お二人がそろって公の場に姿を見せたのは2017年9月以来というから驚きです。
当初は質疑応答を行う予定でしたが、宮内庁によると、誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問があったことから、口頭での対応は取りやめになったと報じられています。そのせいでしょうか。会見もお祝いムードとはかけ離れていて、お二人の表情も硬く、何となく「釈明会見」のような印象を受けました。
それでも、愛の力は偉大なのでしょう。眞子さんと小室さんが相手に対する気持ちを露わにした「ストレートなお言葉」が話題を呼んでいます。国内でもSNSなどで盛り上がっている「あのお言葉」を、海外メディアはどう伝えたのでしょうか?
まずは、眞子さんの発言から。
For me, Kei-san is a priceless person. For us, our marriage was a necessary choice to live while cherishing our hearts(私にとって圭さんは、かけがえのない存在です。そして、私たちにとって結婚は、自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択でした:英インディペンデント)
ご紹介したのは英メディア・インディペンデントの英訳ですが、「Kei-san」(圭さん)と「さん」をつけて訳し、「眞子さんが小室さんに対して敬語を使って気持ちを述べた」ことを強調していました。
「敬語」に注目するとは目の付けどころが面白い、と思いましたが、家族をファーストネームで呼び合うことが当たり前の人々にとっては新鮮だったのでしょう。
「眞子さまを愛しております」英訳が一番上手だったのは英BBC!
さて、いよいよ小室さんの「私は眞子さんを愛しております」発言です。メディアによって微妙に単語やフレーズが違っていましたが、私が「一番上手」だと思ったのは英BBCの訳でした。
I love Mako. I want to spend the only life I have with the one I love(私は眞子さんを愛しております。一度きりの人生を、愛する人とともに過ごしたいと思っています:英BBC)
シンプルでわかりやすい英語に「お見事!」と脱帽しましたが、さらに強いメッセージ性を感じたのが英インディペンデントの次の見出しでした。
'You only live once' Japanese princess Mako and new 'commoner' husband defend their marriage in address(「人生は一度だけ」。日本のプリンセス眞子と新しい一般人の夫が彼らの結婚を守る発言をした:英インディペンデント)
確かに、「You only live once」(人生は一度だけ)。生まれも育ちも関係なく、愛した人と一緒に一度きりの人生を過ごしたい。当たり前のことを主張して自分たちの結婚を「defend」(守る、擁護する)せざるを得ないお二人を、側面から「defend」している見出しだと思いました。
それでは「今週のニュースな英語」です。今回は「cost」(犠牲にする、費用がかかる)を使った表現をご紹介しましょう。
This coat cost me $500(このコートは500ドルした)
This cost a lot
(ずいぶんお金がかかった)
Alcohol cost him his job
(アルコールのために彼は仕事を犠牲にした)
Your job will cost you your life
(その仕事は君の命を失うよ)
眞子さんと小室さんの会見からは、お二人のまじめさと、「正しいことを主張したい」という意志の強さが伝わってきました。理不尽なことが多い世の中で、時には自分たちの思いを「cost」(犠牲にする)ことも必要でしょう。メディアの注目は、まだまだ続きそうです。
(井津川倫子)