JALの担当者「燃油価格にヘッジをかけています」
――なるほど。しかし、燃油サーチャージがない国内線はどうですか。燃油高騰の打撃をもろに受けるのではないですか。
全日空担当者「それはありません。国内線の燃料コストついては、赤字が起こらないように、あらかじめ燃油価格にヘッジをかけています(編集部注:燃料価格の変動リスクを分散回避するため、先物買いなどのヘッジ取引を行うこと)。
今年度(2021年度)分についてはヘッジを完了しており、燃油価格上昇の影響はありません。来年度(2022年度)については、影響があったとしても限定的だとみています」
――どうも、原油(燃油)価格の高騰に関して、あまり心配していないようですね。
全日空担当者「対策ができているということです」
日本航空の担当者にも同じ質問をした。
――このままのペースで燃油価格が上がっていくと、燃油サーチャージは上がりそうですか。
日本航空担当者「燃油サーチャージは階段と同じで、直近の2か月の燃油の市況価格と、為替マトリクスで機械的に決まってしまいます。今の段階では申し上げにくい。ただ、市況については注視しています。為替マトリクスが円安に振れているのが気になります」
――コロナ禍が収まり、海外旅行を楽しみたいというお客にとって運賃が上がるのは打撃ではないでしょうか。
日本航空担当者「国際線の旅行については、お客様の抵抗がまだ残っている気がします。国内旅行はこれから楽しみたいというお客様が多いでしょうが、国内線の燃料コストについては、あらかじめ燃油価格のヘッジ戦略をとっていますから、あまり影響はないと考えています」
と、こちらもしっかり対策をとっているとのことだった。
コロナ禍の自粛生活が終わり、これから旅行へ行こうという人が少なくないだろう。そんな人は、胸をなで下ろしてよさそうだ。
(福田和郎)