どこに住むか? 人気よりも災害リスクを考慮して
週刊エコノミスト(2021年11月2日号)は「地震・台風・土石流 あなたの町の危険度」を特集している。
今後、水害発生地でなくても同じ区内なら5%地価は下落するかもしれないという。日本不動産研究所の佐野洋輔研究部次長は、ハザードマップについて、「金融機関などは担保評価に反映させると思われる」と話している。
「首都圏人気路線安全度」という記事に着目した。だいち災害リスク研究所の横山芳春所長が集計したものだ。利便性や土地ブランドを優先すると、必ずしもリスクを反映しないという。東急東横線では、地価の観点からは、反町、妙蓮寺、白楽など横浜市側の駅が台地上で災害リスクは比較的低く、路線内の他駅と比べ地価も低めだと評価している。
東急田園都市線の水害リスクは、丘陵や台地の上にある鷺沼、つくし野、すずかけ台、中央林間などで浸水想定外区域外となり、高台の多い神奈川県の区間でリスクが低い傾向にある。一方、多摩川や鶴見川の支流などの谷沿いの二子新地、二子玉川、田奈など水害リスクの高い駅はハザードマップの確認が特に必要だとしている。
京王井の頭線では東松原、新代田が災害リスク、地価ともに低いのでねらい目だ。台地の上にある井の頭公園、西永福も同様だ。
西武新宿線では東伏見、西武柳沢が浸水想定外にあり、東武東上線ではふじみ野が低リスクだという。
首都圏4都県と大阪府、愛知県の庁舎所在地別の災害安全度調査も掲載している。東京は「西高東低」の傾向にあり、都心に土砂災害の危険も潜んでいるという。どこに家を買うのか、住むのか。人気や地価だけでなく、安全度も考慮しなければならない時代になったようだ。(渡辺淳悦)