みなさん、いかがお過ごしでしょうか。新型コロナウイルスの第5波が収束し、感染者数は激減。記事執筆中の10月4日は東京都の感染者数11か月ぶりに2ケタにまで減りました。
政治面では、岸田文雄新首相が誕生したものの、原油価格の高騰や、金融資産増税を実施するのではないかとの見方などから、日経平均株価は高値から3000円近く下落しており、非常に難しい相場になっています。
その一方、新型コロナウイルスの感染拡大が収束傾向にあり、徐々に旅行への需要も高まってくるのではないかと予測しています。今回は東証マザーズに上場する、アフターコロナ関連の旅行会社「旅工房」を分析してみました。
強みはネット販売!
2021年10月5日、斎藤鉄夫・国土交通大臣はGoToトラベルの再開を検討していると会見で述べました。これは旅行業界にとっては大きな追い風になるのではないかと考えています。
2020年秋ごろに実施されたGoToトラベルは、旅行業界の活性化に大きく貢献しました。「GoToトラベル事業は、国内旅行需要を1年間で8.7兆円増加させると試算される」 とあります。これは1年間実施した場合ですが、試算によると経済成長率を1.6%押し上げるものになるそうです。当然、旅行業者にも良い影響が訪れるでしょう。
参考リンク 「東京除外で減少するGo Toトラベルの消費押し上げ効果は1.5兆円程度か」(野村総合研究所 コラム 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight 2020年7月17日付 )
旅工房の強みの一つとして、ネット販売があります。市中に旅行代理店を設置するのではなく、ネットでの取り扱いを主としているのです。店舗を最小限に抑えることで、人件費や土地やテナント代などを抑えることができます。
IR情報を見ても、地代はほぼ変わらないことから、店舗の出店を抑えていることが読み取れます。
どこまで需要を伸ばせるか
しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大してから1年半近く、私たちの生活スタイルは大きく変わってしまいました。正直なところ、思惑どおりにうまくいくかどうかはまだまだ不透明な部分が多くあります。
まだ遠出することに抵抗がある人も多いはずです。また、いまだに外国人観光客が日本に訪れることは厳しく、コロナ禍前の状態にまで復活できるとは到底思えません。
その一方でコロナ禍が収まり、旅行業界をあげてさまざまなプランを打ち出し、業績の回復を一気に狙うでしょう。国もそれに大きく協力するに違いありません。
今回、本稿を執筆していて、旅行業は非常に魅力的な企業であり、また分野であると思うのですが、買いは見送ろうと思います。やはり、新型コロナウイルスがいつ再燃してくるかという点がまったく予測できないからです。この点が本当に読めません。今後の業績予想も現時点では未定であるため、取引は見送りたいと思います。
旅工房 (6548)
年初来高値(2021年10月4日) 1580円
年初来安値(2021年1月4日) 871円
直近の株価(2021年10月22日) 1229円
購入株数 見送り