東京外国為替市場 米早期利上げ観測は不透明に
ドル・円予想レンジ:1ドル=112円50銭~114円50銭
2021年10月22日(金)終値 113円46銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。
前週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となった。FRB(米連邦準備制度理事会)理事の発言をきっかけに、米国の早期利上げ観測が高まったことで、ドルは一時1ドル=114円台後半まで上昇したが、114円台では実需のドル売りも見られ、またFRBのパウエル議長の「まだ利上げすべきではない」との発言で、米長期金利が低下したことから、ドルは1ドル=113円台に下落した。
今週のドル円相場は、引き続きドルの上値が重い展開となりそうだ。原油・資源高や米長期金利の上昇を背景に、ドルは堅調な動きを続けてきたが、1ドル=114円台ではドル売り圧力が強まっている。
米国の早期利上げ観測についても、米国の景気動向、インフレ懸念によって、開始時期は不透明だ。このため、ドルが堅調に上昇するのは難しい状況だろう。
経済指標は、国内では25日に8月の景気動向指数、27日に日本銀行の金融政策決定会合(28日まで)、28日に日銀の黒田東彦総裁会見、29日に9月の完全失業率と有効求人倍率、9月の鉱工業生産などの発表が予定されている。
海外では、26日に米国の10月の消費者信頼感指数と9月の新築住宅販売、27日に米国の9月の耐久財受注、28日に米国の7~9月期GDP(国内総生産)速報値、ECB(欧州中央銀行)定例理事会、ラガルドECB総裁会見、29日に米国の9月の個人消費支出と個人所得などが予定されている。
(鷲尾香一)