ビットコイン価格は一時700万円台に突入した。米証券取引委員会(SEC)がビットコイン先物ETF(上場投資信託)の承認へと踏み切るとの報道を受けて、期待感が強まった。北海道大学の渡部真人さんは「歴史的な一歩だろう」と、しっかりプラスとなった。自身も一歩前進。「読みが当たったのはうれしい」と言う。
明治大学のakiさんは、少々後悔している。それは、「前に損切りしたリップルが戻してきた」ため。持ち続けていれば......、というのだ。「コツコツ勝ち続けるのは、なかなか難しいですね」とこぼす。慶応義塾大学の1028さんは、取引をお休みした。
仮想通貨ETF承認へ! 通貨安も好材料?(北海道大学 渡部真人さん)
ついに米証券取引委員会(SEC)がビットコインETF(上場投資信託)の承認へ踏み切った。ProShares社が提供する先物ETFだ。歴史的な一歩だろう。期待が先行したのか、ビットコインは700万円台に突入。一時715万円に届くときもあったが、690万円に戻り損益は10月17日時点でプラス102円。元手が小さいのでショボいが、こんなものだろう。
しかし、読みが当たったのはうれしい。ETFを通じて、よりいっそう多くの人が仮想通貨市場に投資してくれることを願う。
仮想通貨市場以上に不安定な相場局面にあるのは株式市場だろう。中国の不動産会社の経営は苦しくなっている。中国政府や銀行の収入の多くは価値が上がってきた不動産の売却利益にあり、恒大集団をはじめとした不動産会社が社債のデフォルトに陥るとすれば、一気に中国で金融不安が広がるのは誰もが予想しているとおりだ。もっとも、筆者は中国政府までもが8.4兆円ほどの不動産売却収入があることには驚いたが。
習近平政権は日本のバブル崩壊の教訓に学べるか? 今日では世界最大の市場で超大国となった中国で金融不安が起こることは間違いなく、世界に影響は波及するだろう。その時にはマネーの信用不安から金(ゴールド)やビットコインなどの仮想通貨が上がると予想している。
ビットコインの上昇理由として筆者が注目しているのは、新興国の通貨安だ。ワクチン接種が進み日本や先進各国は経済の正常化に向かっているが、石油やエネルギー資源などの価格が上昇している。今ではどこのガソリンスタンドに行っても160円台。新型コロナウイルスが大流行して緊急事態宣言が適用されていた時には135円ほどだったのだから、どれだけ変化したのかがわかる。
個人的にはインフレーションの好例と思っているが、新興国の通貨は石油高のリスク回避として売られている。
日本も例外ではない。政府の債務残高も膨張している中、急速に進んだ通貨安の傾向は仮想通貨の上昇の流れと反比例しているのではないか。EUに加盟している国は、ユーロという共通通貨によって通貨安にならずに済んだ国があるのだろうか。
もし、ビットコインで石油が買えるのなら、新興国の政府は仮想通貨に飛びつくか。金融の仕組みは考えてみると面白い。マーケットの流れに注目だ。
◆ 児山将のワンポイントアドバイスプロシェアーズのビットコインETF(上場投資信託)の初日の売買代金は10億ドル近くありました。そして、運用資産はわずか2日で10億ドルを突破。これはファンド史上最速の記録で、これまでのゴールドETFの3日を塗り替えることとなりました。個人投資家に人気であるインベスコのQQQの運用資産(約20億ドル)をすぐに上回るという声や、1年で500億ドル規模となる観測まで出ています。今後、ヴァルキュリーとヴァンエックのETFの取引が始まった後にも運用資産が話題になるでしょうから、売買の参考指標として要チェックです。
前週からの損益 プラス102円
10月15日現在 3700円
損切りしたリップルが戻してきた(明治大学 akiさん)
こんにちは。akiです。
2021年10月4日週は、前に損切りしたリップルが戻してきました。正直なところ、損切りという判断をした自分に文句を言いたいところです。持ち続けておけば、プラスに転じていたか、損害を少しでも抑えることができたのに、と後悔が半分。残りは何事もそううまくいくわけではない、とあきらめ半分。うまく勝ち続けるというのは、とても難しいです。
時間や銘柄を分散しておけば、仮に負けたとしても損が少なく済みます。積立投資や分散型のファンドがたくさんあるのは、負けた責任の転嫁と損の分散ができるため、精神安定上ふさわしいと思いました。
とはいえ、仮想通貨について何も知らなくとも、最初の余剰利益から購入したので元本割れは起こしませんでした。コツコツ勝ち続けるのは、なかなか難しいですね。
10月11日週は、またリップルが120円台に落ち込みましたが特に動かすことなく過ぎました。仮想通貨のニュースについては、またエルサルバドルが話題にのぼっていました。世界で初めて暗号資産のビットコインを法定通貨としたエルサルバドルですが、ビットコイン用のスマートフォン専用アプリを用いた個人情報の盗難が相次いでいるそうです。
同国では、個人情報が盗まれたとする届け出が15日までに少なくとも700件あったと地元のメディアが報じました。報告されている件数から試算すると被害はさらに多いとみられており、これまでに2000件以上被害が出ていると考えられています。
9月7日からビットコインが導入され、利用促進を目的としたビットコインの配布が行われています。専用のアプリをダウンロードすると国民に30ドル(約3400円)分のビットコインが配布され、アプリの使用には身分証明書番号の登録が求められます。番号を第三者に悪用され、30ドル分を使われているのだそうです。
しかし、実際国民の生活にビットコインは馴染んでいるのでしょうか? ブケレ大統領は10月3日に「300万人がビットコインのアプリを利用している」とTwitterに投稿しましたが、その一方、地元の調査では87%が9月に買い物の支払いでビットコインを使わなかったとも発表しており、生活で使う通貨としてはあまり普及しなかったのではと推察できます。新しいものを受け入れるのには、まだまだ時間がかかりそうです。
総資産(評価額)は1万1576円(日本円で1万219円、リップル703円、イーサリアム654円)。
◆ 児山将のワンポイントアドバイスビットコインがもらえる、給付金がもらえるなどの特殊なケースでは、残念ですがほぼ間違いなく便乗詐欺的な行為が発生します。日本でも、給付金をもらうためにサポートしますといって、法外な手数料を取ったり、給付金をかすめ取ったりするといった事案が多数発生していました。エルサルバドルでも似たようなことが起こってしまっているのでしょう。
さて、ビットコイン購入は当初の調査以上に利用者がおり、米ドルの引き出しを上回っている模様です。これには、やはり価格の上昇という部分が大きいのではないでしょうか。お金に左右されるヒトが多いですから、結局は上がれば正義、下がれば悪に近いのかもしれません。
保有する暗号通貨 リップル、イーサリアム
前週からの損益 プラス74円
10月15日現在 1万1576円
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
10月15日現在 1万7円
◆ 大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトルのルール学生投資連合USIC
・元本は1万円です。
・投資する暗号通貨の選定は自由です。ただし、国内で購入できる暗号通貨に限ります。
・レバレッジは、かけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)します。
・元本割れは1回まで。リベンジ(再投資)可能ですが、2度、資産(合計で2万円分)を失った場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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