米動画配信サービス・ネットフリックスの「復活」が話題です。
先日発表された2021年7~9月期の決算では、有料会員数が440万人も増加! 純利益が前年同期比83%増と、売り上げも順調に増えています。
けん引役とされる韓国制作ドラマ「イカゲーム」は、同社の記録を塗り替える大ヒットとなり、世界中でファンが急増中。一方、久しぶりに映画館での鑑賞を楽しめる「007」の新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」も出足は好調の様子。コロナ禍の「巣ごもり需要」がひと段落した今、勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか?
記録づくしの「イカゲーム」、英語では何て言うの!
韓国で制作したドラマ「イカゲーム」が大ヒット中です。配信元のネットフリックスは、コロナ禍の「巣ごもり需要」がひと段落して会員拡大のペースが落ち込んでいましたが、「イカゲーム」の配信が始まったとたん、新規会員が急増して見事「復活」を遂げました。
「イカゲーム」は、借金を抱えた主人公らが賞金と生き残りをかけて競うドラマです。緻密なマーケティング戦略が功を奏して、これまで韓流ドラマや韓流スターなど「韓流もの」に関心が薄かった欧米ファンが急増し、中核市場である北米市場で人気を博したことが成功の要因だとされています。「イカゲーム」のメガトン級の大ヒットぶりを、各国メディアが興奮気味に伝えています。
'Squid Game' takes world by storm
(「イカゲーム」が世界中を魅了している:ロイター通信)
Squid1:イカ
Take~by storm:急襲して奪う、魅了する、虜(とりこ)にする
「イカゲーム」の原名は「Squid Game」。そのまま日本語に訳しただけのようですが、あまりにも芸がないので、いっそのこと「Squid Game」の方が万国共通に通じるのでよかったのではないかと思ってしまいました。
とにかくこの「Squid Game」の人気は「半端ない」らしく、2021年9月に全世界で同時配信されて以来、一気に人々の心をわしづかみにしているようです。
'Squid Game is Netflix's 'biggest ever' series launch
(「イカゲーム」はネットフリックスの史上最大の視聴者数となっている:米CNN)
配信開始後のたった4週間で、全世界で日本の人口を上回る1億4200万世帯が「Squid Game」を視聴したと報じられていますが、劇中で登場する衣装が今年最も人気の高いハロウィーン衣装になると予想されていることからも、「Squid Game」の人気はまだまだ拡大しそう。全世界的な社会現象になるかもしれません。
「007/No Time to Die」シリーズ史上最高の興行収入!?
一方、久しぶりの劇場公開作となった英スパイ映画「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」ですが、こちらも「巣ごもり」に辟易した人々の心をガッチリとつかんでいるようです。
本国英国では、公開直後の興行収入が前作「007/スペクター」を抜いてシリーズ史上最高額となったと報じられました。
No Time to Die scores James Bond's biggest UK opening box office weekend
(「ノー・タイム・トゥ・ダイ」は、英国で公開週最高売り上げのジェームスボンド作品となった:英BBC)
日本でも大ヒット上映となっている本作品ですが、北米での劇場公開に続き、最大の市場・中国での公開が控えています。2021年10月時点では年間世界興行収入の第2位で、500億円の大台を突破する見込みだと報じられていますが、まだ世界中の劇場が完全オープンになっていないため「007シリーズ最高売り上げは難しい」と予想されています。
早く映画館に活気が戻って欲しいと思いますが、まだまだ二の足を踏む人も多いことでしょう。自宅で楽しめる「Squid Game」と劇場で楽しむ「ノー・タイム・トゥ・ダイ」。今のところ勝利の女神は「Squid Game」に微笑んでいるようです。
それでは、「今週のニュースな英語」は、「007/ No Time to Die」から、「no time to~」を使った表現を紹介します。直訳すると「~する時間はない」ですが、いろんなニュアンスで使われます。
You have no time to cry
(泣いているヒマはないよ)
We have no time to argue
(言い争いしている場合じゃない)
前置詞の「for」と名詞を組み合わせる言い方もあります。
I have no time for lunch
(ランチを食べる時間がない)
I have no time for reading
(本を読むヒマもない)
話題の「イカゲーム」はまだ観ていませんが、「007/ No Time to Die」は劇場でたっぷりと堪能してきました。タイトルの日本語訳についてはさまざまな解釈がありますが、個人的には「死んでいる場合じゃない」がしっくりくると感じました。
さて、みなさんのご感想は?
(井津川倫子)