2050年までに、二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)へ――。脱炭素社会の実現に向けた動きが、国内外で一段と加速している。
この秋、東京で開催された、国内最大規模の脱炭素経営に特化した専門展「脱炭素経営EXPO 秋展」では、「いまこそ脱炭素の取り組みを」と考える来場者で、かなりのにぎわいだった。
その熱狂が、今度は大阪へ――。2021年11月17日~19日、130社が出展予定の「脱炭素経営EXPO 関西展」も、見逃せないイベントになりそうだ。
◆ ネットゼロを経営目標に盛り込む動き活発
日本では菅義偉政権が2020年秋、2050年に温室効果ガスの排出量を「実質ゼロ」にすると宣言して以降、「脱炭素」の動きが加速している。
国内主要企業は、ネットゼロ(脱炭素)を経営目標に盛り込む動きが進む。また、メーカーなどは、部品の供給元であるサプライヤーに対し、太陽光のような100%再生可能エネルギー(再エネ100%)による製造を求める動きも活発だ。
サプライチェーン全体での「脱炭素」が求められる現在、ほとんどの企業にとって「脱炭素」は、なすべきこと。だが、脱炭素、脱炭素経営というけれど、何をしたらいいかわからない――というのも実情だ。
「脱炭素経営 EXPO 関西展」が2021年11月17日~19日、インテックス大阪にて、130社出展予定で開催。※社数は同時開催の関西スマートエネルギーWeekと併せた見込み数字(写真は、21年9月東京開催の「秋展」の様子。同時開催展あわせて、3日間で25494人が来場)
そこで、最先端の環境技術やソリューションを知る、きっかけになるのが「脱炭素経営EXPO」。インテックス大阪で開催する「脱炭素経営EXPO 関西展」には、さまざまな脱炭素ソリューションを持つ企業が一堂に会する。リアルイベントならではの顔を合わせたやりとり、その場ですぐに進む商談が見どころだ。
出展予定の2社に話を聞くと、来場者によってもニーズの違いや温度感に差があることから、「会場ではじっくり話したい」と意気込んでいた。
リアルな場での対話は効果的だと実感
脱炭素社会の実現に向けて、ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニーとして存在感を発揮しているのが、関西電力だ。
同社は、ゼロカーボンコンサルティング、ゼロカーボン電気料金メニュー、太陽光+空調制御、再生可能エネルギー、海外再エネ証書、VPP(バーチャル・パワー・プラント=仮想発電所)、水素など...... 多岐にわたるソリューションを提案している。
桒野理さん。「関西展で実施する講演では、私たちの脱炭素の取り組みについて、背景も含めてしっかり説明したい」
執行役員の桒野理(くわの・さとし)さんは、
「東京での『脱炭素経営EXPO 秋展』では、お客様がかなり詳細なニーズを持つケースも多く、直接お会いしてコミュニケーションができるリアルな場は効果的だと感じました」
と手応えを実感していた。来る「脱炭素経営EXPO 関西展」に向けても、
「お客様の脱炭素経営に関して、私たちの知見を提供し、お手伝いできる機会になればと考えています」
と語る。
もっとも、必ずしもビジネスにつなげるだけでなく、会話をきっかけにした情報収集の場としても期待しているという。
「国全体が脱炭素に向かうなか、インフラ事業を担う私たち電気事業者がどのように国とコミュニケーションをとればよいかヒントを得たい。また、あらためていま、私たちに求められることをとらえられたら、と。関西電力の地元・大阪からカーボンニュートラル(脱炭素)の機運を高めていきたいと考えています」