深刻! 低年齢化する「いじめ」 小・中学生で増加 コロナ禍でますます「見えづらく」なる?(鷲尾香一)

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「重大事態」のいじめは中学校が最多

   さて、ひと言に「いじめ」といってもさまざまある。なかでも、いじめ防止対策推進法第28条第1項には「重大事態」となるいじめが規定されている。

   第1号は「生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」、第2号は「相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」としている。

   この重大事態の発生件数もまた、増加の一途を辿っている。2013年度は179件(うち第1号75件、第2号122件)だったが、2019年度に723件(うち第1号301件、第2号517件)と重大事態が4.0倍に増加した。2020年度は重大事態514件(うち第1号239件、第2号347件)となった=表2参照。


   重大事態を学校種別に見ると、いじめ発生件数は小学校が最も多いが、重大事態のいじめは中学校が最も多い。2013年度と2019年度の比較では、小学校が58件から4.4倍の259件、中学校が95件から3.5倍の334件、高等学校が24件から5.1倍の124件となった。2020年は小学校が196件、中学校が230件、高等学校が84件だった=表3参照。


   文科省では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、生活環境や行動様式が大きく変化し、発見できていないいじめがある可能性にも考慮し、引き続きいじめの早期発見、積極的な認知、早期対応に取り組んでいくことが重要だとしている。

(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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