深刻! 低年齢化する「いじめ」 小・中学生で増加 コロナ禍でますます「見えづらく」なる?(鷲尾香一)

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小学校が驚異的な増加、2019年度は48万4545件

   懸念されるのは、いじめの低年齢化だ。学校種別のいじめ認知件数では、小学校が圧倒的に多く、年々増加を続けている。20年間で認知件数が最も少なかったのは、小学校では2005年度の5087件だが、2019年度には95.2倍の48万4545件に増加した。

   中学校では2005年度の1万2794件から2019年度の10万6524件の8.3倍、高等学校では2002年度の1906件から2019年度の1万8352件の9.6倍への増加と比較すると、驚異的な増加件数と言える。

   2020年度の認知件数は小学校が前年度比6万3648件(13.1%)減少し42万897件、中学校が同2万5647件(24.1%)減少し8万877件、高等学校が5226件(24.1%)減少し1万3126件だったが、小学校の認知件数は中学校の5.2倍、高等学校の32.0倍にものぼっている。

   公立の小・中・高等学校で、学校数に対するいじめの発生学校数の割合を見ると、小学校で2005年度に11.3%だったが、2019年度には88.2%に上昇、中学校は2005年度の34.6%から2019年度の86.3%に、高等学校は2002年度の24.9%から2019年度の64.1%に上昇している。

   2020年度は、小学校が86.2件、中学校が82.2件、高等学校が54.5件となっており、小・中学校では8割以上の学校で、高等学校では半数以上の学校でいじめが発生していることになる。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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