やっぱり、「世界」のトヨタだ――。
海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima~出島~」などの運営を手がける株式会社Resorz(東京都新宿区)が「グローバル化に成功していると思う日本企業」のイメージ調査を実施したところ、1位にトヨタ自動車が輝いた。2021年10月15日の発表。
前回から7年ぶりの調査で、2014年は日本のお家芸、自動車や家電メーカーを抑えて「ユニクロ」が1位だったが、今回は2位だった。
4位にソフトバンクが浮上
調査によると、「グローバル化に成功していると思う日本企業 2021年」のランキングは、
1位:トヨタ自動車株式会社(24.05%)
2位:株式会社ユニクロ(12.66%)
3位:ソニー株式会社(11.39%)
4位:ソフトバンク株式会社(5.06%)
5位:ダイキン工業株式会社(3.80%)
だった。
6位以下には、日清食品や楽天グループ、味の素、本田技研工業、任天堂、日本電産、東京エレクトロン、日立製作所、丸亀製麺、ヤクルト、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、塩野義製薬、オムロンなどがあげられた(順不同)。どちらも、誰もが耳にしたことがある大手企業が並ぶ。
2014年と比べると、ソフトバンクが4位に浮上。楽天がトップ5から落ちたものの、トヨタやユニクロ、ソニー、ダイキン工業の4社は変わらず、名を連ねた。
上位5社を選んだ理由をみると、1位のトヨタには、
「商品だけでなく、ものづくりの本質のモノの見方・考え方、働き方などを世界に学ばれる対象になっている」
「海外での生産、販売の拠点を多く持ち、海外での生産、販売の比率が高い」
「幅広い国と地域で開発、生産、販売を行い、現地に受け入れられている」
といった声が寄せられた。
2位のユニクロには、
「各国でローカライズされるようなマーケティングが実施されている」
「現地ではブランドの価値観を変えることに成功している」
「各国での知名度の高さを感じる」
3位のソニーは、
「現地のブランド浸透度合い、現地のナショナルスタッフ登用のため」
「世界的なブランドを確立している」
「早期から海外生産へシフトしていた」
との評価を得ている。
課題は「グローバル人材の採用と柔軟性が足りない」こと
また、4位のソフトバンクには、
「業績として結果を出している」
「海外在住で企業名をよく耳にする。また、優秀なグローバル人材が、就職先の候補として考えていることが多い」
「海外での資金調達、売上高が日本国内よりも非常に多い」
5位のダイキン工業は、
「売り上げも成果を出しており、さらに現地に根ざした活動をしている」
「海外拠点が多数あり、業界でも成功を収めている」
「海外でのブランドが確立されている」
といった声があった。
さらに調査で、日本企業がグローバル化するために必要だと感じる課題を聞いたところ、
「日本の優れている点を活かし、異文化の需要に合わせた変化や対応ができない」
「海外進出を考えている企業が少ない」
「海外進出を見据えた、世界で通用する商品力や事業デザイン力が必要」
「海外とのコミュニケーション不足」
「地域ごとのグローカライズ化ができていない」
「日本企業から世界に向けた発信力」
「日本企業の意識改革が必要」
「人材開発(商品・サービスが優れていても海外に広げる人材がいない)」
「グローバル人材の採用と日本式にこだわらない柔軟性が足りない」
などの声があった。
なお調査は、全国の「Digima ~出島~」会員(約2万人)に対して、2021年10月6日~13日にインターネットで実施した。