解任された山口FG会長が目論んでいた、あまりにえげつない「貧困ビジネス」に見える地銀の懐事情

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金融庁も注目した東大卒のアイデアマンの「悪のり」?

   東京大学を卒業した吉村氏は、1983年に山口銀行入り。同行などが2006年に設立した山口FGの総合企画部長などを歴任した。2016年には山口FG社長と山口銀行頭取に就き、解任されるまで山口FGの経営トップを務めてきた。

   超低金利の長期化と地域経済の疲弊で各地の地銀が苦戦するなか、吉村氏は地元の特産品を売り込む「地域商社」や人材紹介会社など、新たなビジネスに次々と乗り出し、金融庁からも注目される存在だった。

   その延長線上にあったのが、低所得者を食い物にするようなビジネスだったわけだ。

   地銀といえば、かつて地域経済の頂点に君臨していた。だが、いまやその多くは経営不振に陥り、金融庁も地域経済の底上げと地銀収益の改善に、ハッパをかけている。

   ただ、闇雲に収益を追求すれば、吉村氏と同じような方向性を取らないとも限らない。山口FGの解任劇は、単なる個別地銀の話ではなく、全国の地銀が直面する厳しい現状を改めて世間に知らしめた事例と言えよう。

(ジャーナリスト 白井俊郎)

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